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osananajimi
美形や難解な名前や、重くずっしりとしたJUNE時代の中で、おそらくこの作品が自分が初めて読んだ「平凡受」だと思います。
平凡で男の子らしい面もしっかり持ったごく普通の学生、それが明なんですな。
明〔攻〕と克美〔受〕は幼馴染で、子供の頃はリーダー的存在の克美が、気弱な明の面倒を見てやっていたんですが、成長して克美の背を明が追い越し、体格的にも体力的にも立場が逆転してしまう。
この幼馴染成長パターンも今でこそ目当たらしくはないですが当時としてはこの設定だけでかなり萌えました。
今読むと、え、こういうのって普通じゃない?って感じですがこの作品が書かれた1989年としては凄く新鮮で魅力的だったんですよ。
実はあまりにこの作品が好きで、思わず同人誌を出してしまった位に気に入ってました。
無かったんですよー、この頃ってこういう男らしくて美少年でも美形でもない受ってなかなか。
繰り返しますがこの時代に、こういう作品ってホントに新鮮だったんですよー!
そういう思い入れが無く普通に読めばまあ、萌辺りかなーとは思います。
あと余談ですが、新装版の挿絵を担当してる金ひかるさんも確か、まだ商業作家でない同人時代に幼馴染み同人誌を出してましたですよ。
美形で目立つ幼なじみ、もしくは兄弟×平凡(に見える)な主人公。
そして受けに執着する攻め。
吉原さんの作品の多くはこのカップリングですね。
その原点とも言える作品です。
克美視点の『克美の主張』と、6年の時を経て(10年の月日が流れた『ジグソーパズル』よりは短い)発表された明視点の『明の言い分』の2話収録。
幼なじみの克美と明。
弱くて泣き虫で子分のようだった明は、容姿端麗・成績優秀な人気者へ成長。
とばっちりを受けたくなくて縁を切ろうとする克美に、明は積年の想いを告白。
今では自分の方が体格も力も上だと気付き、克美に強引に迫る。
王道・下克上モノです。
JUNEよりBLと呼べる展開ですよ。
ところで雑誌掲載時の山下慶司さんの挿絵では、明=黒髪・克美=白髪だったものが、明=白髪・克美=黒髪となったために物議をかもした(?)東城さんの挿絵。
新装版の金さんの挿絵では、元に戻ってしまいましたね。
文庫版を最初に読んだ私にとっては、可愛いかっちゃんはかっちゃんじゃないよー。