kirara
koi no fruit basket
3人の作家さんの合同同人誌です。タイトル通り『フルーツ』が共通テーマになってます。全般に『甘くて可愛い』『ほのぼの』系統でした。Hも(少なくとも加納さんとうえださんの作品は)最後までしてるんですが、濃い描写ではないです。
1作目は、稲垣さくらさん『さくらんぼ白書』。
私は、失礼ながらこの作家さんは知らなかったんですが(この同人誌のあと、商業で1冊だけ出されてる?もう1冊は電子?)、う~ん、甘くて可愛くて、朝チュンまでも行ってない?プラトニックなのか、単に描写してないだけなのかもまったくわからなかったんです。
なんというか、BL初心者向け・昔の(今のじゃない!)少女漫画のBL版って感じでした。でも内容以前に、ハッキリ言ってプロレベルだとは思えませんでした。すみません。
2作目は、加納邑さんの『メロンでめろめろ』。
加納さんは商業で何作か読んだことがあります。好きとまでは言えない感じでしたが、まるで合わないというほどでもなかったです。
高校生・同級生同士の、これもなんとも可愛いストーリーです。真面目なドジっ子眼鏡受。なんかこれだけで私の好みじゃないですが、まあさらっと読めました。お高いメロンさま(正真正銘フルーツの)が出て来ます。読み終わって一番印象的なのが『○○円のメロン』なのはマズイです。
3作目は、うえだ真由さんの『いちごの思い出』。
私はうえださん目当てでこの同人誌を買ったのですが、やっぱりこれがいちばんよかったです。100Pを3人(3作)ですから、当然それぞれ30P前後の短編集なわけですが、無理は承知で『これを1冊まるまる長編で書いて欲しかった』と思いました。
え~、最初の2編が(技量はまあともかく)あんまり好みじゃなかったので、余計にこれに対する期待も上がったわけですが、期待以上によかったです。
うえださんには珍しい『ガチ兄弟もの(異母兄弟・兄×弟)』です。短い中にも、きちんと『兄弟という禁忌に対する葛藤』も織り込んで(もちろん、深く掘り下げるのは無理ですが)、なかなか切なくて甘いストーリーでした。すごく好きです。もともと『兄弟もの(特にガチ兄弟)』はさほど好みじゃないんですが(避けるほどでもないですが)、これはよかったですね。
でも、うえださん以外のお2人のことはよく知らないのでなんとも言い難いんですが、こういう『合同誌』は、作家さんの持ち味や読者層(それがまったく別方向だとまでは言いません)が共通してないと難しいんじゃないかな、と感じました。もちろん、『好き作家さん同士(ばかり)の合同誌』なら、相乗効果もあるんでしょうが。
少なくとも私は、100Pの本をうえださんの30P弱のために買ったと割り切ってます。
うえださんの作品だけなら『萌×2』でもよかったかな。好みに合っていたので。