お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
花本作品3冊目です^^
前2冊は、受けが天然な大人の笑劇ラブで、ものすごく笑かして貰いましたが、本作は、大学生同士で、受けがマジメで卑屈なせつな系でした。
受けの周り(父親と双子の弟)がコミカルに描かれていて、じっとりという程でもないのはロミオさんらしいのかな。
≪ネタバレ≫
両親の離婚で双子の弟「葵」と別れ、母親に引き取られた蓮。
その母は蓮を残し失踪し親戚をたらい回しで育ったから、蓮は卑屈で少しペシミストに。
再会した父親はホストで大成し、その元で育った葵は明るく可愛くとても魅力的だった。
葵に頼まれて、葵の友人の出る水泳大会の応援に行った蓮は、そこで「江國」を知り、忘れられない人になる。
密かに追い続けて3年、蓮が進学した大学で江國の姿を認め、胸が高鳴るが・・・
静で卑屈な蓮が一途に江國を追う姿や、出会ってからの江國に恥じらったり意地張ったりと可愛いです。
他も、江國の昼と夜の2面性、父と葵の恋に奔放なところや蓮が思っているより蓮が好きなところとか、主キャラ全員がとても魅力でした。
父弟のスピンオフも楽しそうです。
江國は蓮だけを優しく大切にしているけど、葵になりすましている蓮と体を繋げています。そのHシーンではオレ様でSなんですね。
(ワンコの差別意識に、二マニマしてしまう~)
でも、自分が嫌いなタイプのはずの葵(本当は蓮だから当たり前)に、江國はズクンときちゃうのを、江國自身が戸惑って「良い演技だ」「煽るの上手いな」って揶揄するところなんざ、内緒のジレッタさに“萌え~”ってなりました♪
初読から感じている、ロミオさんの文章はちょっとした動作の表現(繰り返しや反語)で、キャラがどう感じているかを細かに掘り下げてくるところ、気に入っています。
普通なら、第3の声で言い切っても良いところをキャラの言動で表してくる。
例えばよくある「ごめんなさい」は、蓮が言うと江國にとっては「避けられている」と感じて落ち込ませる“棘”に使っています。
こういうところが、気になってしまって読み逃したくないと思うんです。
自分の中の作家ランキングがまたワンステップアップの作品でしたv
中古を捜さなければ手に入らないけど、ロミオさんの作品なら読みたいですね。
※「失心」と沢山あったのを「失神」と変換して読んでたけど、何か意図があるのかな?