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高岡美幸は、中等部の時に手ひどく振られた上級生の貴嶋竜一を忘れられずにいた。
彼は、美幸の夢の中に毎日のように現れては、実際には呼ばれることのなかった美幸の名前を囁く。
それから月日が流れ、美幸は大学を卒業し、晴れて社会人になった今でさえ、彼は時折夢の中に現れては、淫らに美幸を翻弄するのだった。
そんなある日、新人研修を終えて、配属された部署で、焦がれ続けた貴嶋の姿を美幸は再び見つけることになる。
おまけに、彼は美幸を教育する「先輩インストラクター」だという。
長い間夢の中の存在であった彼が現実の存在になったことに、美幸は喜びを覚えるけれど、手ひどく振られた記憶が同時に、人と争うことを嫌うおとなしい性格の美幸を怯えさせる。
おまけに社会人となった貴嶋は、高等部にいたときと変わらず、厳しさと同時に実力も兼ね備えた人間で、おっとりのんびりな美幸はついていくだけで精一杯だった。
そんなプレッシャーに煽られ、無理を重ねた美幸はついに職場で倒れる、という大失態をやらかしてしまう。
こんな自分では貴嶋の隣にいる資格がない、と思いつめた美幸は仕事を辞めるべく退職届を手に、貴嶋の家を訪ねるが――
という話でした。
個人的にこの作者さんの話好きなんですが。
この話はかなり昔の作品のせいか、何もかもが青かったです。
まず、貴嶋が美幸を意識した瞬間が唐突。
急に過去の手ひどく振った後輩だったって思い出したから付き合うってありなんですか……? という感じ。
そして、付き合う前と付き合う後とで急激に態度が変わりすぎなような……。
そういうところどころが、微妙に入り込めなかったりするんですが、設定としては嫌いじゃないかなー……と思います。
まぁ、誰でも最初から完璧じゃなかったんだ、と思えばこれはこれでありですかね。