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セカンドメッセンジャーシリーズのスピンオフですが
本編の中でも気になっていた長谷川刑事、そして四代目!
読むしかないでしょう! と読み始めて嵌りました。
四代目のティーンエイジャーのような純情な情熱。長谷川刑事を大切にしたい想いもたっぷり感じられて。
鋼のような肉体に厳つい容姿。なのに心はティーンエイジャー!
萌でしょう!萌えますよ!
伊達で気障で洒落者な長谷川刑事が、いつもの毒舌も鈍るほど、色々と悩んだりショック受けたりヘタレたり。
仕事で色々あるのに、その上めげずに迫ってくる四代目がいて、踏んだり蹴ったりな気分にもなるよね。うんざりしているんだけど、それだけじゃなく内心びびっているのは、ビシッと拒否しきれないから。
そこそこ女遊びもしている長谷川だからこそ、男の生理として四代目の想いも分かりすぎるほど分かってしまうわけで。ここで拒否られたら切ないよな、な場面で拒否った自分が許せない。
好きだと思ってない訳じゃ無いから応えようと頑張ってみたりもするけど、犯される恐怖に抗えず、土壇場で逃げてしまい、そんな自分に落ち込んだりする姿も男前!
四代目のイチモツを見て、その凶悪さにびびってしまったりするのも、同じ男だからこそ。「あんなもん、個人差だ。俺のはあそこまでじゃない」
バディの深山に「同じもの付いてるのに」と言われた時に答えた台詞ですが、リアルな男の心理って感じで。だよね、だよね、と長谷川刑事に気持ちが寄ったかと思えば、
「あんたを傷つけたい訳じゃ無い」
なんて言う四代目の切ないくらいに愛してる、な気持ちにも感情移入しちゃって、(四代目ファイト!)とか思いながらぐんぐん読んじゃう訳ですよ。
だってなんだかんだ言って本当に落ち込んだ時、縋ってしまったのは四代目なんだもの。
良い奴だと分かっているから、なんだろうけど、四代目は切ないよね。
会いに来てくれた、と嬉しい気持ちもあるけれど、他の人間のことでそこまで落ち込むのか、俺には何も出来ないのか、てなもんで、好きすぎるからこそダウナーな気持ちにもなりますよね。
それでも長谷川刑事が大切で、愛されたくて、張り込みに差し入れしちゃうくらいストーカーちっくになってしまってたり。
四代目は長谷川刑事の男前ぶりに惚れているので、そこを曲げて欲しい訳じゃ無く。
女扱いしたいわけじゃなく、男としてのあんたが欲しい、な訳ですよ。
そしてなにげに女性が男前。深山カッコイイ。
何度も読み返して、本がへたって二冊目を買ってしまったくらい、読み込んでしまっています。二冊目にはビニールカバーを付けました(笑)
『天使のため息』『天使のわけまえ』『天使のかたわら』と続いた『セカンド・メッセンジャー』のスピンオフ・・・というか、話は主人公を変えた“続編”となっています。
同じ麻薬捜査チーム「離れ」を舞台に、『天使~』はチームの上司と「麻薬のありかを嗅ぎわける」特殊能力を持つ真野(まの)がメインのお話でしたが、その脇として出ていたチームの同僚・長谷川刑事、事件の途中で出てきた「四代目」のお話がこちらです。
真野の過去がかなり凄惨でもあったせいか『天使~』はハード風味が強かったのですが、飄々と斜に構えたタイプの長谷川と情熱的な四代目との新作は、甘め。
雰囲気は変わっていますが、話自体は『天使のかたわら』から繋がっているので、ココから読むとなんとなくよくわからないかも。会話のノリも独特のものがあるので馴染めない感じもするかもしれません。
それはさておき、長谷川は恋に惑うツンデレさんになってるし(笑)、四代目は一途で紳士的。正確には「四代目」から「五代目」へと人格は移行しているのですが、めでたく長谷川への想いを忘れることなく「五代目」へと変化した彼は、そのまま「四代目」と名乗っています。
そして、長谷川への熱く一途でストレートな、それでいて長谷川の気持ちを大切にしたアプローチ。
四代目は見た目が凄いんですが、その辺の攻よりよっぽど穏やかです(笑)
長谷川は四代目の気持ちを受け入れているんですが、身体が“受け入れる”のに躊躇と怖さを感じています。
それを越えて結ばれるまで・・・が本作で、そこに前作からの麻薬密売事件が絡みます。
このあともあるらしいですけど、チームがひとつ増えるなど新しい登場人物も出てきていますので、もっと広がっていくのかもしれませんね。
次は四代目と長谷川の新婚ドタバタ・・・らしいですが。
それにしても前と雰囲気が違ってわりと読みやすい雰囲気になったと思います。
それが好きかどうかは好みですが、とりあえず四代目は「顔に龍の刺青」から想像するほど壊れた人ではありませんでした(笑)。