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遠野先生の短編集。
話のそれぞれの内容は。
「愛はハーフビター」
表題作。幼い頃から、大企業の専務である望月に幼い頃から囲われていた裕巳が、早瀬を好きになって……という話。
実は、裕巳は望月の妻が浮気で作った子どもで、望月はその浮気した妻を愛していたからこそ憎み。次第に妻に似てきた裕巳を抱いていた……とそんな話なんですが。
そんなにまでしたのに、手を引くのがものすごくあっさりで(裕巳を姫様だと思ってる早瀬に対して、媚薬で感じまくる裕巳まで見せたのに)。
裕巳には「仕事を辞めてどこへなりと行け!」と言ったくせに、早瀬には「お前が仕事を辞めたら誰が裕巳を食わせるんだ!」と言う。
……えーっと……つ、ついてけないorz
こんなところでいきなり、父性愛出されても、今まで散々酷い事させてた癖に……とちょっと興ざめ。
ページの都合上もあると思うんですが、放り出すなら放り出すで、もっと粘着質な方がよかったように思うんですが……。
「奇想天外小夜曲」
こちらは薬学部の学生だった弥三郎が友人に頼まれてたまたま行った家庭教師先で、小学生の巴と出会い恋に落ちちゃう話。
恋に落ちちゃう弥三郎は、そのままずるずると巴の高校受験まで、家庭教師を続け、高校に合格した巴に頼まれて、ドライヴに行き、そこで更に家庭教師として続けてほしいと頼まれ、断るつもりで自分の恋心を打ち明けると巴がそれを受け入れ、ラヴラヴに……という話だったんですが。
そこまでが前置きで、ここから先が本番。
月日が流れ、それから7年が経つと、すっかり巴も大きくなり、立場も逆転して、偉そうになってしまった巴にあの頃の素直な気持ちを取り戻して欲しい! と思った弥三郎は自分の知識を生かして、鎮静剤……のようなものを作る。
それを巴に呑ませてみると、「もっと本当は甘えたい」と言いながらくっついてくるけれども、甘え攻めになった巴が現れた……(普段は弥三郎が攻めです)という。
そんでもって、弥三郎はつっこまれちゃうのを受け入れちゃうんだ……
あ、ありえない……。
でも薬を飲ませてない普段は弥三郎が攻めのままだから、リバ……?
おまけに、それがバレそうになって、「毒じゃないなら弥三郎が呑んでよ」って言ったら、どうやら今度は弥三郎が凶暴化したらしくて、それで巴に謝ったら「本当は嬉しかった」って……巴ってば本当は、えむ……?
「優しい夜の過ごし方」
京はバイト先のレンタルビデオショップで客であった孝志と付き合う事になるけど、優しい孝志に物足りなさを覚えて、新しくバイトにやってきた積極的な野口と、急速に距離を縮めていく……
当初は孝志に内緒で持った体の関係だけれども、黙ってられなくなった京がそれを告白して、結局は孝志と別れて野口と付き合う事を選択する。
ところが、野口が京と付き合うのはまったく本気じゃなくて、遊びで、他に彼女がちゃんといるんだ、ということがわかって、京はつい孝志に電話をかけてしまう……という。
……いいんだ……それ……(呆然)
つか、孝志優しすぎるだろう……ありえなくね?
しかもその優しさから「物足りない」で別れられたんだから、孝志そのまんまだったら、また同じ事繰り返されちゃうと思うんだけど……ダメだろ……。ダメすぎる……。
長くなったので、以下、割愛で、タイトルだけ。
「Trip」「僕が大好きなあなた」「いつも言葉が足りなくて」という話が入ってますが。
多分、ものすごくページ数の問題が大きいと思うんですが、全てが駆け足で……。
「お前ら、それでいいのかよ!?」って言うくっつき方をしたり、別れた後の復縁をしたり……で。
「Trip」なんて、会いに行くためだけに、一度辞めた会社に再就職してきて来るからね……
普通の一般企業はそんなやつ取らないし、普通、自分も受けないよ……
なんか、基本的にツッコミ属性の人間なんで、そういう細かいところが我慢できなくて、イマイチ入り込めませんでした。
短いのも考えものですよね。
ページ数が限られてるから、ついついご都合主義になっちゃって、そういうところが目について……と個人的にはまり向かない話でした。