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kirameku ssssabaku no seisho
独特な神話的世界観が今もなお息づくカースィム。
大学生の彰斗は、以前、近所に住んでいた知り合いの老婦人から託された美しいダイヤのネックレスを持って、神殿を目指していた。
「いつか神殿に返してほしい」と言った老婦人は、どことなく日本人ではないような顔をしていて、不思議なスパイスの香りがするお茶を彰斗に振る舞ってくれていた。
そんな老婦人との約束を守るために、彰斗はわざわざヒッチハイクをしてまでも神殿を目指してやってきたのだ。
ところが、辿り着いた神殿で、彰斗はいきなり男たちに襲われる。
彰斗の説明を聞く耳を持たず、彰斗は気を失ってしまう。
目を覚ますとそこは、豪奢なベッドの上だったけれど、そこに現れた金髪碧眼の男から彰斗はとんでもないことを告げられる。
ハーディーと名乗ったその男は、彰斗を『神殿の主』とになれと言う。
詳しく話を聞いて行くと、彰斗の持っていたダイヤのネックレスは代々『神官の主』が受け継ぐべきもので、実は『神殿の主』というのは、民衆に身体を開くことで、幸せを分け与えるという、どちらかというと『聖娼』に近い存在であると知り、彰斗は断固拒否する。
けれど、神官の中では一番上の位であるというハーディーは無理やり彰斗を押し倒してきて、聖娼としての振る舞いを無理やり彰斗に覚えさせようとする。
彰斗の身体は次第にハーディーの行為に慣らされていくけれど、好きでもない人間に身体を開くなど、彰斗にはとてもできない行為で……
という話でした。
最後、結局、自分がハーディーに惹かれているのだ、ということを認めた彰斗はその想いをハーディーに告白して、ハーディーもその気持ちを受け入れて、『神官の主』の行為を身体を開かなくていいものに変えてしまおう……という信じられない策をハーディーが打ち出すんですが……。
それができるのなら最初からやればいいんじゃ……
という想いが心の底からした。
これってハッピーエンド??
今までの歴史的にその行為がどうとかこうとか言いたい事はいっぱいあるけど、そんなことが簡単に(簡単ではないと思うけど)許されていいのだろうか……。びっくり。
それに、そのダイヤのネックレスを持っていた老婦人は、ハーディーの話が本当ならば、過去に『神官の主』をやっていた人物であるっていうのが想像できるんですけど、そのことにはまったく触れられることなく。
仮に『神官の主』であるのならば、そんなに穏やかに微笑んでいたのも謎以外の何ものでもないし、いろいろな政治的なごちゃごちゃがあったにしろ、ごく当たり前のように普通に日本で生活できていたのも謎だし(亡命したにしろ、警護くらいついてもおかしくないような気はする)、そのダイヤのネックレスを神殿に持って行ったら『神官の主』にされるのがわかっていて、そのダイヤのネックレスを彰斗に託したのだとしたら、綺麗なはずの彰斗の思い出が一気に真黒に……
まあ、そんな細かい事気にしてもしょうがないのはとてもよくわかっているんですが、そういう細かい事を丁寧に描けないのが所詮BLがBLでしかない理由なんだろうなー……と思うとちょっと残念。
そういうところがきっちり書き込まれているいい小説もあるんですけどね。
隣に住んでたおばあちゃんからお願いされたダイヤのネックレスをただ、返すだけと考えてた大学生の彰斗。
実際、神殿で襲われた。
目覚めて、自分のおかれた立場に躊躇する。
自分では外せないネックレス。
恥ずかしながら、聖娼となり、彼に抱かれ神殿の主になっていく。