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表紙が古いのでどうかなぁ……と躊躇ったのですが、ワンコものっぽいしセールでお安いし……と買ってみました。
攻めの丹羽は武道一筋に生きてきた硬派男なもんだから、笑顔ひとつスムーズにできやしない堅物なんです。
なのに教育係の桜木に「ハムスターみたいでかわいいです」だの「すごく白いうなじですね」だの「抱きしめたい」だの突然ぶちかましてくるんです。
しかも真顔で。
丹羽自身はノンケの真面目人間なので、お世辞ではなく心の底から思ってるんだけど、桜木に惹かれてる自分には無自覚。
自分でもなぜだかわからないけど桜木さんから目が離せない!!桜木さんを守らねば!!という無意識の使命感とやらに燃えまくり。
桜木の食生活を憂いて、そんなんじゃ体が心配だ!!とばかりにせっせと手料理を振る舞う始末。
一方の桜木は過去の失恋のせいで、ノンケやバイは二度とごめんだ!と思っているんですね。
あいつ、ノンケのくせにいきなり何なの?どういうつもり?と動揺しまくる一方で、丹羽に惹かれてしまう……
そんな両片思いを両視点交互に読むというお話なので、わかりやすくてさらっと楽しめて良かったです。
年下攻、総合警備会社営業部後輩×教育係先輩。体格がよくて真面目で無愛想で天然に口説き文句を発する後輩クン。かわいい、の気持ちに他意はないんですよ。言うと怒るから思うだけにしておこう、とか。無自覚だから手に負えない。同僚には惚れないと決めてる受も、読んでるこっちもキュンキュン。敬語攻は好みではないのだけど、慇懃無礼なわけではなくむしろ笑える。和むかも。犬がいっぱいいてかわいいからいいことにします。
最近、料理の上手い攻が多いような気がします。たいてい趣味の域を超えてる。餌付けです。外食するより家で食べたほうがおいしいなんて、浮気しようとも思わないよねえ。
わんこは好き!
個人的に「わんこ」とあるだけで無条件に手がのびてしまうが、この作品のわんこは、垂れ耳わんこではなく耳がぴんと立ったわんこ(意味不明?)。
作者曰く、武士わんこだそう。なるほど(笑)
受の部署に異動してきたのがわんこ攻。感情表現がものすごく下手で、営業の部署なのに笑顔を浮かべることさえ出来ない。しかし、口から出るのはタラシじみた受を褒め称える言葉ばかり。どうも天然も入っている様…。
そんな2人が事件に巻き込まれながら信頼を深めていくところが、とても自然でうまい。
性格が真逆な二人のせいか言葉が互いに一方通行で、漫才の様な会話がとても楽しかった。
気になったのは受がすこし流され系であったことだが、小動物の様な受のイラストは本当にかわいかった。