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今回はシドニーの実家の近くで起こった事件という事でうまくいってなさそうだったシドニーの親との関係が明らかになりました。やはり近所の狭いコミュニティで息子がゲイというのが知れ渡り母親はシドニーに冷たく当たっていたらしい。職場でも同僚から差別を受けるシドニー。90年代の話だし今より偏見が強かったのであろうけど胸が痛む。
シドニーの母親もノブの父親も他人に対してはとても温かく人格者と言ってもいいような人なのに家族に対しては何故か違うんだな。他人にはわからない複雑な心境はあるとしても家族とは難しい。
読者からみれば主役の息子達にどうしても肩入れしてしまうので、毒親ひどいと思ってしまうけど行間には親には親の言い分というのもあるかもしれない。でも絶対に息子に、他人にでも言ってはいけない言葉のラインと言うのはある。それを超えた暴言をぶつけられてしまったシドニーが不憫すぎる。
ノブは傷心のシドニーを慰めるけど、その慰め方がまた小悪魔というか無垢と無神経の紙一重のような気がしました。男の恋人同士で同棲してた部屋の隣りに何年も住んで3人で交流もしてたなら何となくわかるでしょ?と言いたい。シドニーは惚れた弱みで「そういうのやめろ」とははっきり言えないのよ。嫌われたくたないから。鈍感なノブ、そろそろ気づいてあげてーと思ってしまいます。
読めば読むほどこの2人が好きになっていくのですが、同時に結ばれて欲しいけど、まだ友達のままでいて欲しいとも思います。
それはこの二人の友情が大人のものとは思えないくらい綺麗だからなんですが。
この作品、BLだけど子供が読んでも大丈夫じゃないかなと思える、そのくらいピュアです。
作者さんはたまにフィクションなら避けて通るんじゃないかなと思うような社会的なテーマを練り込んでお話を作られますが、人種がなんであれ、君がゲイであれ、君は君だよと言える友情に、大人になると薄れてしまうホントに子供のころの打算のない友情を感じる。
こんな関係のまま大人になれるってうらやましい。
前の事件で親友を失ったシドニーの相棒、ヘンリーも今回無事結婚式を挙げ、幸せな出だしなのですが、その後シドニーと、伸行の小学生のときの知り合いが殺人事件に巻き込まれ、二人は捜査に乗り出します。
事件そのものは相変わらず痛々しいのですが、今回は普段の展開とは違い、頼りになるシドニーが初めて不安定な所を見せ、伸行がそれを慰めるます。いつもとは立場が逆。
子供の頃の知り合いが関わっているせいで、家族やご近所のお話になってゆきシドニーの家族との折り合いが明るみになります
シドニーが家族と上手くうまくいっていないと知り、それを悲しむ伸行。
シドニーは、自分はゲイだから母親に疎まれているということを身体で説明するために伸を襲いかけるのですが、それでもまだ自分が「そういう対象」だと思ってない伸行の純粋さというか鈍感さ…まぁ、これを無くすと伸行は伸行じゃないかなあという気もするんですが、ここまでくるとシドニーが気の毒です。
相棒のヘンリーでさえ、シドニーの気持ちに気づいてるのに。
無理やりキスされても「シドニーはシドニーだろ!」なんて言う。
シドニーの気持ちに微塵も気付いていなくて、寒いからと言ってシドニーの毛布に潜り込んだりするわけです。
天然と言うか・・・いえ、面白いです。
でも、いまのままじゃいけないのかな?という伸行の気持ちもわかります。就職のこと、シドニーとの関係。
変わることを恐れてるのかな、という伸行の気持ちが垣間見えたお話でした。
それにしてもただの色気もないキスシーンに凄く凄く萌えました^^;
シチュエーションが、よいのだと思います。