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heihachirou tenka gomen
最初にタイトルを見た時は、コメディかと思いました。
平ちゃんは8人姉弟の8番目のため、このような名前なのです。
ラブコメといえばラブコメなのですが、だんだん鬼畜展開へと向かっていきます。
『いつだってハッピーエンド』
高校に入学したばかりの朋哉は、ひとつ先輩の平八郎に気に入られる。
素直に好意を示してくれる平八郎と親しくなるにつれ、彼に惹かれていく朋哉だが・・・。
平八郎が朋哉に声をかけた理由、それは朋哉が教師・山沖に似ていたから。
どろどろとした設定がひそんでいます。
『春一番のジェラシー』
平八郎の本心が分からず不安な朋哉は、結婚が決まった山沖に嫉妬し続ける。
無理矢理キスして、死ぬほど後悔して落ち込む朋哉は青いです。
『平八郎天下御免』
生徒会長から目をつけられた剣道部は、部の存続を賭けて試合をすることになる。
生徒会長からにらまれる原因となったのは、平ちゃんのつれない態度だったようですが・・・。
山沖との間にあったことを、全て朋哉に打ち明けた平八郎。
拒絶されるのが怖くて自分の方から避けてしまうけど、朋哉は懐でかいです。
『螺旋の風』
時間は少しさかのぼって、山沖×平八郎編。
大学時代から五香のことが好きだった山沖。
五香には他に恋人がおり、ずっと友人関係を続けていた。
そんな山沖のことを兄のように慕っていた平八郎。
恋人と別れた五香の気持ちは山沖へと傾き始めるが(その理由のひとつが最愛の弟が山沖に懐いているからだなんて、悪い方向に作用してます)、その頃山沖の方は平八郎のことしか考えられなくなっていた。
五香のことを思い身を引こうとする平八郎。
結局は色んな人を傷付け、振り回すことになってます。
『花しまき』
『いつだってハッピーエンド』の平八郎視点バージョン。
先生とずるずる関係を続けていた平ちゃん。
平ちゃんと終わってから五香と付き合い出したのではなく、しっかり二股だった先生。
二人は続編でその報いを受けることとなります。
私は時々(ホントに何の脈絡もないことが多いんです)『○○さんが読みたい!』と思い立って、まるで何かに憑かれたようにその作家さんの作品(ほぼ既読)を読み耽ることがあるんですが、しばらく前に鹿住さんの周期が来てたんですね。
それで、もう何年越しかで書いていた鹿住さん作品のレビューをこの機会に纏めてみようかな、という気になりました。
こちらはほぼ20年前の作品です。1編目の初出はさらに5年前だそうです。四半世紀前・・・
こちらが鹿住さん初読みでした(イラスト買いで)。このシリーズは鹿住さん作品の中でもかなり特異で、個人的に非常に評価が難しいんです。
ただ、あくまでもこの巻だけに限ればそれなりにいいと思うし結構好きなんです。
少なくとも最初の2編(『いつだってハッピーエンド』『春一番のジェラシー』)だけなら爽やかな学園ものBLと言えなくもないです。というより、そう思えば何とか許容範囲だってことですね。必死で自分を誤魔化してる気がしないでもないですが。
実際にはすでにここから、先のどうにも気分悪くなるドロドロの元となる設定はしっかり提示されています。
私はとにかくメインCPのキャラクターが好きなんですよ。逆に言えばそれだけなんですね。他は全部ダメといっても過言ではない。
大変申し訳ありませんが、このシリーズは鹿住さんでは(もちろんきわめて個人的に)最低クラスです。
ただ、見方を変えれば名作です。たぶんそうなんでしょう。メインの2人以外私の好みと掠りもしないだけです、ええ。
この先は読むのがただ気が重いんです。メインが好きだから我慢して読むんだけどさ!