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短編集4作品です。「2番目」「ドン・キホーテ」は生物部という繋がりがありますが、4カップルそれぞれで単独で楽しめます。
長さは、「土曜日」「2番目」で3分の1、「ドン・キホーテ」と「ラスト・エンジェル」でそれぞれ3分の1ずつくらいです。最初の3作品は高校生カップル、全体的に初々しい印象の作品集です。
「土曜日のウソツキ」
表紙の二人です。椎木(受け)が主人公。上村と付き合っていますが、嫌われたくないからと色々ウソをついています。上村が生クリームが嫌いなので、土曜日は友人の久遠に付き合ってもらってケーキを食べています。久遠はそんな関係無理があると指摘しますが…という話です。
久遠が上村に話してしまうという主人公を置いてけぼりの展開ですが、短編で無理なくまとめるには良いと思います。そんな理解ある友人の久遠、挿し絵がイケメンで気になっていたところ、ビーボーイノベルズ「月曜日のアルマジロ 」で主役になっています。
「2番目の場所から」
追木直臣(攻め)が主人公。桜庭俊哉(受け)と広瀬隆至の3人でよくつるんでいますが、俊哉は追木といると緊張してしまうと言い…という話です。この作品でも二人の気持ちを知る広瀬が追木に助言をするという展開になります。個人的には3人の名前と特徴を覚えるのがちょっと大変で、早い段階で3人顔が見えて並んでいる挿し絵が欲しいなぁと思いました。
「ドン・キホーテ、走る」
高津憲吾(攻め)が主人公。電車で靴を落とした園宮淳生(受け)が気になっていますが、園宮は神野哲也と品田公彦というナイトに守られています。なんとか近づくことには成功したのですが…という話です。こちらも個人的には名前を覚えるのが大変でした。特に、高津の友人はフルネーム(押尾洋一)で登場させなくても良かったのでは…他の作品に脇役で登場するのでしたら面白かったのですがと思いました。年下の高津が強引なだけでなく好感が持てるキャラで良いなと思いました。
「ラスト・エンジェル」
瀬川直幹(受け)が主人公。瀬川は声優やアナウンサーを夢見た時期もありましたが、今は専門学校で講師をしている24歳。ある日、ゴミ置き場で隼人(攻め)という男を拾います。隼人は自分は舞台俳優だ、しばらく置いて欲しいと言い出して…という話です。
図々しい隼人の頼みに瀬川の「お前…俺のナニ…?」の反応が面白かったです。ただ、瀬川が務める専門学校の理事長のワンマンさが私は気に入らず、ラストの今の職場で出世するぞと前向きな瀬川の決意にも冷めた目で見てしまいました。隼人も身体で仕事をとるなど、他の3作品より大人な展開です。