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表題作は従兄弟同士の10年にかけてのゆっくりとした恋愛。
尤も彼等はずっと一緒にいた訳ではなく、聖[受]は身体が弱く手術や入院の繰り返し。
優基[攻]は舞台俳優からテレビ俳優に変更してそこそこ人気を持つ俳優となってます。
そんな優基の元に聖から電話がかかってきて「泊まりがけで軽井沢の別荘に来て欲しい。でなければ従兄弟の縁を切る」と言われ、聖を放っておけない優基は何とかスケジュール調整をして聖の元へと訪れます。
彼等はまだ少年の頃、軽いキスをした事が一度だけありました。
思えばそこから彼等の恋愛は始まりの気配を見せていたのかもしれません。
読みきり短編もそうですが、文章は淡々としていて派手さはないですがそれだけに人物の感情が引き立っています。
雰囲気が良かったのですが、お話がどうも説明ぽい…。それが勿体なく感じた作品でした。
主人公の優基は俳優で多忙な日々を送っていますが、ある日従兄弟で体が弱く、軽井沢で療養中の聖に呼び出されます。
二人は過去キスしたことのある仲で、聖が優基を好きで好きで追っているのですが、優基は一歩踏み出せずに彼を避けて続けている…というような事が文章でつらつらと説明されていて、なんだかお話としては動きがない感じでした。
そして軽井沢に着いたら、やっぱり聖が好きだ、という…。
あまり動きがないので、ストーリーは理解できて、この二人はこういう関係なんだな、とわかっても肝心の萌えにつながらないのが残念な気がしました。
おまけで入っていたお話のほうが、二人の人となりが良くわかった気がします。全体的に少し哲学的で、誌のような綺麗な文体の作品でした。
お話はあと一歩ひねりがあればと思ったのですが、雰囲気はとても良かったと思います。