お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
sora ni kaeru kaze
なんというか、このシリーズは所謂鹿住さんのイメージだろう『王道・ライト・H薄め』とは一線を画する作品です。
特にこの表題は一体何なんだろう。
最初(デビューから続くシリーズ)がコレで、何でこの先はああいう作風になるんですか!?とまさに驚愕です(もちろん王道・ライトが多めで目立つってだけで、意外とそうじゃないのもあるんですけどね)。
18年も前の作品ですしそういう時代だったのかなあ。
ただ、それもあるのかもしれませんが、あとがきで雑誌掲載時に結構否定的な感想をもらったことが書かれていたんですよ。
『呆れた展開』『ショック』さらには『もう読まない。読まなかったことにする』(私もそう言いたかったよ・・・)とさえ。
それからすると、時代の要請(?)とも言えないのか?こういう展開が手放しで求められてたわけじゃないってことでしょう。あるいはB-Boyだったから?←前巻収録分は雑誌JUNE掲載と同人誌再録。
1編目が『疾走する微風』。
朋哉(攻)の一人称です。私はもともと受一人称はものすごく苦手なんですが、このシリーズは特にダメ。平八郎(受)視点はあまりにも痛々しくて気分悪くなるんです。ですから攻一人称だとそれだけでホッとします。
家族関係で何かと慌ただしい平八郎となかなか会えない分を、中学時代に付き合っていた女の子に(『彼女』が忙しい間だけでいいからと)迫られて会うんですが、そりゃダメだろう。
平八郎の方にも、家族の問題に加えて山沖(姉の婚約者で過去に平八郎とワケアリ)との相変わらずのゴタゴタもあり。
それでも、お互いに嫉妬したり少しずつわかりあえたり。そしてようやく山沖の結婚が具体的に決まって・・・
2編目が表題作です。
受一人称。なんというか『ここまでやるか』の、シリーズ個人的に最低の作品ですね。
姉と山沖の結婚式で、山沖の友人で姉の元取り巻きのひとりであった村上と再会した平八郎。
山沖に強烈なライバル意識を持ち平八郎を手に入れようとする村上に、最初は山沖との関係を姉にバラすと脅されそれはなんとか拒絶したものの、今度は朋哉との関係を盾に取られて関係を強要されます。
しかも、その後2人の関係を知った朋哉に・・・
いやもう、読み返すたび気持ち悪くなります。何なんだ、これは。
そして、これがまたあからさまな続きものになってます。
ストーリー展開上掲載順を入れ替えられないのはわかりますが(ページ数だけで言えば、表題作が続刊分も含めてちょうど1冊分なので)、それにしてもここで切るのか!?という感じです。まさに雑誌連載のような『つづく』なんです。
正直なところ、こちらはシリーズとしてはまったく好みではない、というかハッキリ言ってしまえば大ッキライです。とにかく山沖と村上が気分悪くて堪りません。生理的嫌悪感しかない。
ただ、前巻のレビューでも書きましたがメインCPのキャラクターは大好きなんです。言ってしまえばただそれだけです。
作品としては(特にこちらは)読むのが苦痛でした。ひたすら不愉快でしかないですね。
評価の『しゅみじゃない』は、文字通り『好みじゃない』んです。つまらないとかくだらないというのではないんですが(まあ、まったく面白いとも思わないんだけど)、なんというかもう無理です・・・としか言えないよ。