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年上の包容力攻め×駄々っ子健気受け。イラストがレアです。
舞台はイギリス。日本人テニスプレイヤーのハルトと、彼を支える監督・ロイの信頼関係&恋愛模様を描いたお話。舞台柄か全体的にしっとりと落ち着いた雰囲気で、切ないトーンが滲みます。
本編の他、「クリスマス・タイズ」、「サウス・ガーデン」、「グリーン・カーテン」のSSを収録。
ハルトは13歳の時にイギリスに渡り、現地のテニスクラブで頭角を現していきましたが、遠征試合へバスで移動中に事故に遭います。同じバスに乗っていたロイがハルトを庇ったせいで怪我を負い、ロイが現役を引退することに。それから二人は歳の離れたチームメイトから師弟関係となります。
ハルトとロイは恋人同士。ハルトはロイのことが大好きだけれど、恋人として愛されているのか不安で仕方ありません。それに、ロイが事故で怪我をして引退したことに負い目を感じています。実力選手だったロイの代わりにトップを目指すため、ハルトは限界まで自分を追い込み必死にトレーニングを重ねますが…
ハルトが練習中に倒れたことで二人は喧嘩してしまい、外でヤケ酒を煽っていたハルトが家に帰ると、しばらく家を空けるとロイが居なくなっているのに気付きます。エジンバラ(原文ママ)に住む、彼を育ててくれた祖母が亡くなったと。
ハルトは二十歳、ロイは八歳年上なのもあって、すぐに感情的になってしまうハルトをロイがヨシヨシ宥めている関係かな。
ロイのためにジタバタしているハルトからすると、頑張りを認めて欲しい苛立ちがよくわかるし、ロイからすると早く罪悪感から解放されて、ハルトに無理をするのをやめて欲しい気持ちもわかる。お互に思い合っているのに愛情が届かないもどかしいすれ違いは、作者様の作品に見られるパターンですね。
「クリスマス・タイズ」ではエジンバラにあるロイの実家にハルトと二人で再訪するエピソード。信仰に篤いわけではない二人が「祈り」について話す内容がとても深くて、きゅーんと響きました。
「サウス・ガーデン」では、テニスを引退したハルトが、ロイと南の島(インドネシア?)へ旅に出るエピソード。旅先でも二人の今後を巡ってケンカ笑。怒ったハルトが木に登ってプンスカしちゃうエピソードが可愛い。
最後の「グリーン・カーテン」にもじんわり…。テニス漬けだったため社会人としてやっていけるのか不安なハルトを、目一杯の愛情で包み込むロイ。ハルトとしては、ロイに恥を掻かせたくないからテンパってしまうという、どこまでも相手思いな二人なのでした。
クリスタル文庫は過去の名作が多いなァ。