お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
生徒(璃一)×教師(大和)の年下攻めラブなんですが、そんな括り以上の話でした。
BL枠を一足飛びにして、もっと普遍的な「好きな人と恋人同士になる、でもいくら好きな相手でもしょせんは他人。他人ととことん付き合うってどういうこと?」という問題のもと、1冊丸ごと二人を向き合わせているのです。
遺産のおかげで金銭面の心配もなく、教職は腰かけ(コネ雇用)、恋愛面では不自由したことがない主人公・大和。
現代っ子の悪い見本のような男で、何事においても全力をださず中途半端でいい加減。
そんな大和にうっかり惚れてしまったのは、若干16歳の生徒の璃一。
ちょいとお馬鹿な彼は、大和の(単なる適当)発言に心を打たれ、その真っ直ぐさと押しの強さであれよあれよと見事恋人の座を獲得。
ところがここで問題になってくるのは、二人の付き合い方の相違です。
べったり一緒にいたがる璃一と、ある程度距離をとりたい個人主義の大和なわけで。
じわりと侵食してくる恋人に、何より変わっていく自分自身に、大人でしかも教師である大和の方が戸惑い、恐れているという図がなんだかリアル。
(これをリンゴ一つで表現してしまうような金丸さんの発想が秀逸!)
あんなに余裕面していた大和の、遊び人のスマートさや大人の面子がどんどん剥がれ、涙をポトリと落として16歳の恋人に謝る23歳の姿は、とにかく人間くさくて憎めない。
不思議と愛おしい男なのです。
突然自分に訪れた純愛にどうしていいのか分からない大和を、理一の混じりけのない素直さや大らかさが包み込みます。
恋愛の前ではみな立場も年齢も無関係、そんな二人。
ポップでコミカルなタッチにちょっと及び腰になりつつ、でもこの軽快さが、彼らのキャラクターにはぴったりでした。
二人のお馬鹿なやり取りの合間合間に、宝物のような言葉が散りばめられてます。
拾うのが楽しいけれど、あまりにてらいなく書かれてるのでちょっと気恥ずかしい。
でも心にストンと入ってきます。
自分と全く違うタイプを好きになってしまった二人が、つい憎まれ口をきいたり、傷付けてしまったと落ち込んだり、恋人の生い立ちに思いを馳せてみたり、外聞も忘れて醜態を晒したり…それ以上に暖かい抱擁と数えきれないキスを交わしたり。
そんな風に騒々しく、どんどん相手にのめり込んでいく様子は、微笑ましくもあり羨ましくもありました。
まあ、現実に身近にいたらただのうっとーしいバカップルですが!笑
BL萌えを求める作品じゃないのかもと感じて、迷いつつも神評価。
どんな本?と聞かれたら、あったかい本と答えたい!地味だけどそんな良作でした。
最初の十数ページを読んだときは、ごく軽いラブコメかと思ったんだけど、いい意味で裏切られました。
めっちゃ良作でした。
タッチは軽いんだけど、ストーリーは深い。付き合いはじめたカップルが普遍的に持ってる不安やすれ違いなどを、がっつりと踏み込んで書いていた。胸が痛くなった。リアルだった。
主役は先生と生徒。
先生は百戦錬磨の遊び人です。頭はいいし、親の遺産があってお金持ちだし、経験値も高い。けど、誰とも深い関係になったことがない。
生徒は先生が初恋の人。頭は悪いんだけど、真っ直ぐに育ってる。で、先生に真っ直ぐに恋してる。
最初は、生徒の情熱に引きずられるようにして、関係がはじまります。
経験の少ない生徒を先生が導いていくような展開になるのかと思いきや、まったく逆の展開になります。
関係が深くなるにつれ、先生の側がコドモのようになってきてしまうのだ。
はじめて恋したことによる不安が、遊び人だった先生の価値観を根底から変えてしまうんです。
最後、酔っぱらった先生が、はじめて気持ちを吐露するんだけど、そこで思わず泣いちゃいました。どんだけオトナコドモなツンデレなんだよ、アンタはw
多分、初読みの作者さん。
クリスタル文庫で、表紙絵の山田靫(現:ユギ)さんってだけで買ってきたけど、この本も「当たり」だった。
生徒と教師という垣根の向こうには、
ある日から心の成長を止めてしまった、寂しがり屋の子どものままの大和が蹲っていて、
その垣根を、璃一は、愛されて育った無垢な心で、辛抱強く、半ば強引にこじ開けて、
行き着いた先はいっそ中毒、共依存といえる程の、、、
って
こう書くと、なんだかドロドロ愛憎監禁みたい?
全くそんなことはなくて、
そこにあるのは、みっともなく恋に振り回される、恋に忠実なだけなピュアな二人。
恋のドキドキと、恋のドクドクがいっぱい詰まったこの本。
エロ方面は、若さ爆発で回数は多いけど、具体的な描写はほとんど無しなので、
「エロより恋!それも思いっきり甘酸っぱい、こっぱずかしい位の!」
って気分を満喫させてくれる。
BLの王道バンザイ!です。
ともふみ
いっちゃいました♪
この本の感想はどうしてもアツアツの内に書きたかったんですよ~
か・な・り・ス・キ!
「恋愛依存症」っていうより「恋愛指南書」ってカンジがしました。
>出来上がったカップルの痴話喧嘩的な続編はあまり好きじゃないのに
ものすごく分かりますっ。「勝手にやってなさい!」って言いたくなる糖度の高いのは
(アホっぽいのは好き)胸焼けしちゃったり…。
私も読み終わると、萌え以上のナニカが残りました。
ほんとに「むつこレビュー」に感謝です!!!
で、コバルトものが良作多しっておっしゃってたのですが、1冊も見つからない!
きぃっとハンカチ噛みで悔しがってます。
金丸さん最近書かれてらっしゃらないんでしょうか??
むつこ
きたきたー♪
この本、私も大好きでしたよ!後半になればなるほど好きでした。
私、出来上がったカップルの痴話喧嘩的な続編はあまり好きじゃないのに、こういう話を読むと価値観ガラガラ崩れます。「金丸マキさん、恋愛の機微というものを分かりまくってらっしゃるなァ、コンチクショー(>_<)」って感じで。
遊び人だった先生の後半のヘタレっぷりには萌えたんですが、全体的に感じたのは萌えとは違うナニカでした。
私も神評価にしとけば良かったなァ。
迷ったんですよね。
そのころ神評価作品を連発してレビューしてたので、「神ばかりもなァ…」と、躊躇ってしまった記憶が。