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utawanai sommelie
美貌のソムリエ・薫は、フランスで行方不明になってしまった同僚の天才シェフ・静香の足取りを追って、フランスを旅していた。そんな時、同じく行方不明の兄を探している潔い美しさを持った年下の学生で静香の弟・和音と出会う。
男同士でありながら、二人は恋に落ち、求め合うままに和音は薫を抱く。しかし、翌朝、和音が目覚めると、薫は何の痕跡も残さずに消えていた。
実は薫は、両親を亡くした後、兄妹ともども引き取ってくれた帯刀家の長男・篤弘とただならぬ関係を持っていて。
彼はまるでガラスケースの中に入ったお人形のように篤弘に大切に、大切にすると同時に、薫のことをかわいがっていた。本当は嫌なのに、愛情ではない、純粋に憧れていた篤弘との行為に拒否できずにいる薫は、壊されるぎりぎりのところまで弄ばれて、丁寧に囲われていた。
そんなある日、たまたま薫が講師を引き受けたワインの講習会にもう二度と会わないはずだった和音が参加していた。
最初、すごく視点が、第三者だったり、薫視点だったり、和音視点だったりで入り乱れて、今は一体誰の話を書いてるのか、さっぱりわかりませんでした。
1ページもしないうちに変わるので、大混乱しました。途中から、記憶喪失になった「カオル」も現われるし……。
でも、そこを乗り越えると、そこそこ面白くなりました。実は篤弘がかなりぎりぎりのことをしていたり、静香が再び二人の前に現れたり……とか。
何よりも、普通は二人で駆け落ちするはずの和音が、堂々と篤弘に向かい合ってしまう辺りが、すごいと思いました。ただ、薫が最初に会った時と再会した時ではキャラががらっと変わってびっくりしました。
最初は、年上のミステリアスなお兄さんって感じだったんですが、再会後は甘え上手な末っ子キャラでした。どっちが好き、とは言いがたいんですが、どっちも嫌いじゃない人なら、大丈夫だと思います。