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花郎先生らしい硬派な昼ドラ系BL小説でした。
河村は、旧家に生まれ、そこに縛られて生きる人間。
広さだけはある家に、偏屈な祖母と、母親の違う妹と通いの家政婦と……たった三人で生活をしてきた河村。
彼はそんな中で、妹へと歪んだ想いを持ち、また家に居着くような形になってしまった親友・不動との関係も歪ませてしまっていた。
河村は不動と、友情を越えた体の関係を持ってはいたものの、それは最後の一線を越えることのないものであった。
ところが、とある事件をきっかけにその二人の関係が最後の一線を越えてしまう。
それは、河村の妹に対し、暴行しようとした人間を河村が殺してしまったこと、そしてその人間を埋めてしまったこと。
秘密を共有した二人はついに最後の一線を越えた関係になってしまうけれど、消えた人間の行方を捜す警察が必要に訪ねてきて……
という話でした。
なんとまあ、昼ドラにでもなりそうなドロドロ展開。
最後の方には、そこまで不動に尽くされたのにも関わらず、河村の不用意な一言で、不動が去って行ってしまったりもしたのだけれど、結局最後はハッピーエンドになりました。
本当の意味でこの二人が分かり合えたところまでは書いてなかったんですが、そこはもう読者が好きに想像していいんじゃないかな……と思います。
読み応えはありました。
ただ何せ、テーマが古い……。
まあ、イマドキにも使われるテーマではありますが、物語の全体的な重さが時代かかっているような気がします。
でも、それがいい人にはいいんだろうなあ……とは思っています。
BLらしいBLというには語弊があるし、いろいろ、それでいいの、と突っ込みたくなるところが、なんだか昔の耽美なJuneっぽいかも?
こうして見ると、円陣さんもかなり絵が変わりましたね。