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作家さんの新作発表
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今回の事件も家族の問題。裕福で幸せそうにみえる家族も実際には様々な問題を抱えているということが多い。幼少時のノブを母親に代わって育ててくれた洋子さんというキャラが出てきます。彼女がノブ達と離れた後幸せになっていた事が今回のお話の中で救いでした。
前巻でシドニーとノブが両思いになってイェーイ!みたいなテンションでレビューしていた自分を反省します。シドニーのノブへの思いはそんな軽いものじゃなかった。両思いは嬉しいけどノブをこっち側(ゲイ)の世界に連れていくのが怖いと悩んでいるのです。愛する人が自分がこれまで経験してきたように世間から疎まれ傷つけられるのを見るのが怖いんです。この作品はキャピキャピBLではなく(そういうのも好き)地名や時代などリアリティのある作品なのでいつもみたいに「お前ら早くくっついちゃえよー!」と単純には考えられません。でも付き合うなら絶対幸せになってほしい。
ノブは恋愛感情を認めてからはシドニーのかっこ良さを再確認し、仕事中でもヘンリー(シドニーの相棒刑事)の前でもドキドキが止まらなくて大変な事になってるみたいですが、今までのシドニーの気持ちが少しはわかったんじゃないでしょうか。好きなのに寸止めっていう。
柏枝先生のあとがきはさらに重かったです。この巻を書き終えた直後に9.11のNYテロが起こったようで、こんなにNY愛の強い先生にとって本当にお辛い事だったと思います。この物語を9.11後まで書き上げて完成させてくれたことに読者として心から感謝します。まだそこまでいってないけど必ず完読します。2人のその後を描いた同人誌も電書購入済みなのでそれも楽しみです。
前巻まであんなに純情な友人同士を見せられていたのに、両思いになってからは普通のカップル以上にキスばかりしている2人。
幸せそうで可愛いです。
でもキスと言っても頬だったり額だったり、ディープな関係にはなかなかなりません。可愛いけどじれったいです。
ようやく恋人になったのに、一緒の部屋で寝たいと言っても伸行はシドニーにやんわりと拒否されます。
伸行のせいでなくシドニーの問題だと説明されますが、むしろ恋人になる前よりも距離が遠くなったと伸行はうっすら感じ始めます。
好きになり過ぎて遠く感じる、他人にならそこまで求めない全てを共有したくなる、でもそれには時間がかかる・・・。
わかっているけどやっぱりじれったいというか。
しかしなかなか、片思いから始まって両思いになりさらにはその先の、相手に心の全てを預けて預けられるようになるまでをこんなに根気よく丁寧に書いた話ってないんじゃないかなぁと思います。
今回は、伸行が子供のころの家政婦さんと再会し、その息子の高校で起きた事件を解決するお話。
いつもこの作品のミステリーて、解決してみれば意外と真相そのものはあっさりしたものなのですが、それを微妙な心理描写で謎かけをしてきて、読み手に「真相は?」とドキドキ感を与えてくれます。
今回の事件も、謎を解いてみればそれほどってわけではないのですが、刑事という視点で捜査を整理していくお話は楽しいです。
伸行の他人とシンクロする能力がいつも事件解決のために使われてきますが、今回は子供を慰めるために使われており、初めてこれってなんていい能力というか、素敵な特技なんだ思いました。いつもシドニーを心配させているけど、他人の欲しい言葉を何も説明してなくても引き出せるってお人よしな伸行らしいというか。
しかし、今回はあまりにも2人の仲がじれったく、みていてせつなくなりました。
お互い涙が出そうになるくらい好きで好きでしかもドア一枚隔てたところに暮らしてるのに、「気持ちの整理が出来ていない」というシドニー。
その気持ちの整理とは、伸行が自分の周りに男が恋人だといえるのか?という事なんですよね。
ここでそれを持ち出すのか・・・とちょっと思ったのですが、日本でなく舞台が90年代のアメリカだから、というのもあるのでしょうか。
勿論伸行が大事だから、伸行のために言っているのだとはわかります。
何となく両思いになってハッピーなんて都合のよいところで終わらせないのがやはりこの作者さんの書き方だなあと思いました。
穏やかな恋人になれるのはいつになるのかな~。