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shinyuu gokko
それでも鹿住さんではかなり好きな作品です。ベスト5、いや場合によっては3に入るかも?
こちらもそうなんですが、鹿住さんは基本が『受一人称』の作家さんです。個人的にそこがいちばん残念だと思ってます。ゴメンナサイ。
私はとにかく『受一人称』がものすごく苦手で、それだけでまず再読はあり得ません。『受一人称』で何だかんだ言いながらも読み返すのは、鹿住さんのお気に入りのいくつかだけなんじゃないかというくらいです。こちらはその筆頭ですね。
そういう意味ではすごい作家さんなのかもとは思います。この私に、受一人称を再読(作品によっては繰り返し何度も)させるとは!
ただ、よくできた作品かと訊かれれば違うでしょうね。
いやもう、読み返すたびに同じことで苛立つんですよ。隆悠(攻)があまりにもアホでどうしようもなくて、当て馬キャラクターの二階堂さんがあまりにも都合のいい男ポジションで哀れ過ぎて泣けて来ます。←私はホントに何度読んでもそのたび泣いてしまう。ただ、間違っても『泣ける作品』というわけではありません、念のため。
ただ、私は紗生(受)はキライじゃないんです。優柔不断だとは思うしダメじゃないとは言いませんが、結局はやっぱり悪いのは隆悠だとしか感じられないんですよ。
正直なところ、これホントにハッピーエンドなのか?とさえ感じます。
イヤ確かにハッピーエンドなんですよ。それは間違いないんです。でも、読むたびに非常に複雑な気分になってしまう。
私はラブストーリーに関しては『ハッピーエンド至上主義』ですが、こんなにスッキリしないハッピーエンドがあっていいのか!?と思うくらい、なんとも言えない読後感なんですよね。
いっそ隆悠が振られて泣きを見る展開でよかったんじゃないかとさえ思ってしまうくらいです。我儘で傲慢で幼稚で大キライだけど高校生だからなんとか我慢してやるか、という感じかなあ。コイツはどうにも好きになれません。
こんなに文句言いながらなんで読むんだろう、と自分でも不思議なくらいなんですが、それが好きってことなんでしょうね。わからないままにそれでも何度も繰り返し読んでます。
ホントに受一人称でさえなかったら、個人的神(級お気に入り)作品確定だったと思う。評価として『神』にはできないでしょうが。
このままじゃ可哀想過ぎる二階堂さん救済のスピンオフ『恋愛ごっこ』もあります。
主人公は高校生。
恋人に別れを告げられてショックを受けてるときに、バイト先で年上の優しい男性に口説かれます。
新しい恋に踏み出し、元カレとは親友に戻ろうとするんだけど、なかなか上手くいかず――。
もう少し『男同士じゃなきゃ』って部分が欲しかったです。
主人公を女の子にしてもまったく違和感なく読めるので、BLを読んでる感覚がしなかった。
でも、カワイイお話で読みやすくて、スルスルっと読みました。