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思うに、わたしの遠野春日作品のデビューはこのシリーズだったように思います。
当時は気づかなかったのですが、これって同作家さんの『茅野氏シリーズ』とリンクしてるんですね。
レビューのために見返すまで気づかなかったというか、読んだ当時は茅野氏を知らなかったから仕方ないのか。
あらすじにある通り、男版・有○倶楽部といったていの作品です。
六人の地位も名誉も金もある男たちが購入した洋館に、金曜暇がある者が集い時間を過ごす。
セレブ的道楽ですね。バブルの香り。
そんな中で事件に巻き込まれたり好奇心で調査したりしながらBL的展開を繰り広げる、娯楽小説と言えます。
一作目は、若手ピアニストの事件に首を突っ込むお話。
今回は(というか、今回もというか)鷹也×千歳カップルがメイン。
この鷹也は政治家一家の生まれで自身も区議会議員。個人的には苦手なタイプの攻めです。
言葉足らずで俺様傲慢系。
そして受けの千歳は秘書という身分的にも育ち的にも(非セレブ)一歩引いた位置にいて、このキャラがわたし達の一番身近な存在となるのですが、彼自体もわたしの苦手なツンデレ系。
一途に鷹也を支える様は健気なのですが…
でも王道といえるカップルですのでお好きな方はいらっしゃるでしょうが、いかんせん10年以上前の作品なので古いという印象は今読み返すとかなり感じます。
2003年刊。
15年以上昔の話だと今になって読み辛いだろうか、と思ったがそうでもなかったかな?
他に1995年以前でも現役で読み継がれているBL小説もざらにあるからね。
雰囲気的に懐かしすぎる感はあるが手持ちの1~2巻は積読消化しておこうと思った次第だが、気が変わったら3巻以降も電子書籍で購入するかも知れないけれどね。
ただ、最近はこの手の『金に糸目を付けない、地位と人脈にモノを言わせて人助けする勧善懲悪もの』って見つけにくいんじゃないかな?
今はスパダリが主流だけど、この話を読むと昔は"スーパー攻め様"がゴロゴロ居たんだよ(笑)
更に今となっては『若手議員、実業家などの肩書きが付いている面々がヒマなんて有り得ないだろっ!!』ってツッコミは避けられないだろうな。
こうして結成して初めて請け負った、指を骨折させられて再起不能に陥れられた新人ピアニストの無念は、彼らの派手な仕掛けで成敗されている。
ターゲットには相当キツイお灸を据えられている訳だが、さほど陰湿には感じなかったかな。
この1巻では鷹也と千歳はいずれくっつくだろうに、立場上の関係(若手議員と秘書の上下関係)の決着が付いておらずに読者側が焦らされるような状態だ。
話の内容上、恋愛面より請け負った案件(成敗)をどう見せるかに重点が置かれているってのもあるだろうが。
ラブシーンについては、当時の描写は過激さがないので安心して読めると思う。
ちなみに、他巻のあらすじをチェックしてみると全6巻で3カップル誕生、ほぼ総ホモらしいが、個人的に読んでみたいと思ったキャラがメインを貼りそうな巻がないんだよね~。
実はそれが、全巻完読に消極的になっている理由だったりするのだ。