【イラスト付き】【書き下ろしSS付き】
kimi to hana kaoru hidamari de kojirase omega ha alpha onzoushi ni dakaretai
登場人物がみんな優しく、安心して読めるお話でした。
オメガバース設定に疎くても、世界観を自然と理解できる書き方をされているのでするりと飲み込むことができました。
攻めの椿生が素直な性格なのが素敵です。
お金持ちで世間知らずなりに、己の正義がきちんとあり、人のことを勝手に決めつけたりしない理想の攻めでした。
受けのユウヒの過去の傷を目の当たりにした際の咄嗟の反応が出てしまうのもよいです。
それから、受けのユウヒの関西弁がとっても可愛いです。
ネイティブな関西弁とお見受けするので、そこが気になる方も安心だと思います。
関西人らしい強気な話し方と、でも好きな人のことになると自信がなくなってしまうところとのバランスが素晴らしいです。
そんな彼が物語の中で自分を愛せるようになっていく様子に胸を打たれます。
お互いを高め合える2人を末長く見守りたい気持ちになりました。
好きな人のことになるとポンコツになってしまう攻めと、それに対して「ハッキリせんかい!」と言える受け、のような2人が好きなかたにはぜひ読んでいただきたいです。
脇を固めるキャラクターもとても魅力的で、ひとりひとりを大切に描かれていることが読み手としても嬉しい空気感です。
個人的に好きだった細かい描写は、ある人物の洋服がベストではなくウェストコートだったのと、靴のデザインがストレートチップであることまで気を配られているところでした。
このように、キャラクターの人となりを繊細に表現されており、小説ならではの想像力を掻き立てる作品を書かれる作家さんだと思います。
今後発表される書き下ろしも楽しみにしています。