神は誰も愛さない

神は誰も愛さない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
27
評価数
9
平均
3.2 / 5
神率
11.1%
著者
あすか 

作家さんの新作発表
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イラスト
実相寺紫子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344812833

あらすじ

警視庁の刑事・宮城雫は、父が殺された事件の真相を探るため、管理官の加勢倫匡を身体で篭絡して情報を得ようとしたが――!?
出版社より

表題作神は誰も愛さない

上司であり警視庁管理官
警察内部に潜入したスパイ

その他の収録作品

  • 唯我独尊な男

レビュー投稿数3

愛する者の為に、その行動のすべてはある。

復讐と血の繋がりと愛と、かなりシリアスに進行する作品でした。
題名も「神は誰も愛さない」ってすごく残酷な感じ、でも神様じゃなくて、今生きて側にいるその人に愛して欲しいってことなのかな?と解釈いたしましたよ。

自分の過去を抹消し、父を殺した警察に復讐することだけを考え、ヤクザのスパイとして警察内部に入り込んだ雫。
偶然にも父が殺された時の捜査の指揮をとっていた男の息子・倫匡が上司で組対3課で麻薬の捜査をしている。
情報をヤクザに流す為、倫匡と体の関係を持っているのだが、復讐とは思いながらものめり込んでいる雫。

ただ復讐の為にだけ生きている雫が、本当は優しかった父への愛が忘れられず、誰かから愛されたいと切望している気持ちが根底にある。
送りこんでいる組のヤク取引に絡み、銃撃を受けたり、チャイニーズマフィアの、倫匡に執着している英銘にヤクを打たれ、凌辱されたりと、仕事をしているより入院して傷ついていることが多い雫だ。
でも、その度に倫匡が上司の特権を最大に使い雫を包むのです。
倫匡にも、麻薬の潜入捜査でヤク中になり治療中の弟がおり、その弟への兄としての深い想いも抱いている。
その弟にも組にスパイとして潜入している恋人・大我がおり、
雫を凌辱した英銘は、雫と似たような過去を持つのに、倫匡の為に自分の愛する人を平気で殺した、壊れた性格を持ち、そのせいで激しい執着をしているのだ。

それぞれが、関係ないようでいて底の方で複雑に絡み合い、この物語を構成している。
うまく描けないほどに低い温度でじわじわとやけどしそうな内容が展開されるのだ。
雫は女性のようなイメージさえ受けるのだが、壊れそうな自分を倫匡という恋人を持つことでひたすら強く、自立して生き抜いている。
倫匡はひょっとすると、一番ヒドイ男なのかもしれない。
自分の愛する者のためなら、憎まれようとも。手を汚すことも構わないほどのことをしているからだ。
だから、英銘がいくら恐ろしい人間であっても、それは倫匡の冷たさがそうさせてしまったのだ。

英銘の恐ろしい調教という部分がこのストーリーに入れられなかったそうだが、どんなエロがあったのか知りたい!(サイトを見たがupの形跡はなさそう?)
雫が助けて行方をくらました倫匡の弟、英銘に付いていってしまった大我、英銘はまだ倫匡に復讐をしようとおもっているのだろうか?
そんな部分が気になって。。。いつか続編を読みたいものだ。

2

シリーズになったら嬉しいな

過去に囚われ、間違った道へ進もうとしていた雫が、いろんな人間と関わることで立ち直っていくという、非常にシリアスなお話でした。
しかも、愛する男じゃない男に抱かれたり、父とも慕っていた男に裏切られたり。
過去だけでなく、現在進行形できつい人生を歩んでいますが、愛する男を手に入れ、これからも自立したひとりの男としてしっかりと前進していってくれるんだろうなぁ~と思えました。

また、倫匡も愛することを知らなかったけれど、雫という愛しい対象を手に入れたら、この先ももっと強く生きていくんだろうなぁ~と思えました。
雫を守るためだったら、どんな汚いことでもしそうなヤツです。
それくらい、雫を愛しているってことなんでしょうけど。

雫の心が、すごくすごく揺れて、どうなっちゃうんだろうと心配しましたが、基本的に芯の強い男だから、ちゃんと自分でケリを付けることが出来て安心しました。
複雑に入り組んだ人間関係だけでなく、その人間関係の中でゆらゆらと揺れる雫の心が、なんとも苦しかったです。
自分の心や人生のはずなのに、他人に支配されていたと言いましょうか。
その支配からやっとの事で逃れられ、自分の力で生きていけるようになって、ホント嬉しかったです。

魅力的なキャラがたくさん出ていたし、シリーズになってもいいかなぁ?っていう雰囲気もあるので、シリーズ希望です。

0

痛くて、切なくて、孤独です・・

「神様」でなく、「神」って突き放し具合もgooでした。タイトルだけで妄想してしまいます・・(〃▽〃;)
中身も、期待どおり!厭世的で、悲観的な主人公が良いです!
主人公雫は、復讐のため、スパイとして警察内部に潜入しています。BL界において、刑事が悪の組織に潜入はよくあります。(しかも、ばれてお約束の輪姦?笑)当作品は、違います。
正義の組織たる警察に、警察を裏切るために潜入しているんですよ。
しかも父親の復讐という、いたって正義です。善と悪が入り乱れています。
情報を引き出すために肉体関係を結んだ上司に、徐々に心惹かれ、騙していることが辛くなるし、自分を疑っているのではないかと、疑心暗鬼となり主人公を孤独にします。
真実を前にして後悔のあまりすべてを投げ逃げ出そうとしてしまいますが、すべてを許すといった上司の管理官加瀬が実は一番黒い男でした。笑
黒い加瀬の前では、雫のすがすがしさがまぶしい~
敵対する中国マフィア英銘(エイメイ)が逃げたので、これは売れ行きによっては続編ありかと期待させられる作品です。

1

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