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kuchibiru de kowasareru
昔好きになった男ってのが、遊び人で、本気になるのが馬鹿なんだといったスタンスの人だったため、神流は自分の気持ちを隠して、その男と接するわけですが、途中で苦しくなってしまって、終わらせるんですね。
それからは、本気で誰かを好きになることができなくなっていた。
バリバリ、引きずってしまっていたわけです。
そんな時に出会ったのが、これまたモテル男を好きになってしまって・・・
目新しい設定は何もないですよね。
でも、なんでしょう。
もう、生まれて2○年。こんな不器用な恋愛、忘れてしまったわってくらい、
こう、ジレッタイ?って言葉がぴったりな受の不器用さに涙を誘われ、
ウルウルきましたね。
丘智周にも実はトラウマがあって、余計、チグハグになってしまうのですが・・・。
付き合うまでも、遠回り、付き合ってからも勘違い、不安、寂しさ、いろいろ付き纏うんですね。
でも、なんだかすごく優しい空気が流れていたお話でした。
読後は、「よかった~二人とも笑顔で」と、見守っていた二人がようやく幸せになったっていう
カンジがありました。
おすすめです。
読んでみてください。
かつて辛い片思いを経験し、恋愛に臆病な大学生カンナ。
恵まれた容姿を持つ彼は、一時過ごす相手には事欠かないが、常に遊び。
キスはする。キスはするけれど、それ以上は踏み込ませない。
誰にでも優しく感じのいいチカは、相手をその気にさせる達人、
常に恋人を切らすことがない。
そんな相手に本気になってはいけない、と思いながら……
特別な話でもないし、淡々と物語は流れていくのだが、全編に独特の雰囲気が流れる。
ランプの火が象徴的に出てくるが、そんな夜の光のような、憂いを帯びた雰囲気。
チカの住まいのスタイリッシュなうらぶれ方が、またいい。
ストーリーは不器用な恋の物語。
あらすじを書いてしまうと、あっけないほどの話で、
やさしいハッピーエンドだし、甘い話といえば甘い話。
当て馬の少女の正体もなんとなく見当がついたし、ドラマチックさはないが
リアリティのけぶるような情景や、繊細な心模様を積み重ねながら物語は進む。
カンナの大学も見当がつくが、チカの学校があまりにもピンポイントで分かるのは
いかがなものかなぁ?と思ったりもしたが(笑)
モデルの場所の雰囲気を上手く取り込んでいるので、
土地勘があるとよりイメージに彩りが加わるかもしれない。
まぁ、こんな高校生いるかなぁ。とも思わなくはないし、ツッコミどころもありますが、
一言でまとめると、この作者の描く
こういう独特のちょっと現実離れした空気感が頗る好み……です。
奈良さんの挿絵も素敵だったので、まぁ「神」にしちゃおう。
電話一本で呼び出されてくれる不特定多数の友達がいて
しかも、その友達も
ケーバンを変えたらそれで途切れてしまう程度のつながりしかないという
そんな遊び慣れた雰囲気を醸し出している
この何事にも熱くならないカンナという男に嫌悪すら感じていたのに
その根っこにあるのは
報われない片思いに本気になって辛い思いをしたという過去のトラウマだったと知って
カンナの抱える不安がそうさせていたのだと思って
印象がちょっと変わりました。
そんなカンナを変えていく、誰にでも優しいチカ。
しかし、彼の無自覚の優しさもまた
過去の経験がそうさせているという事実。
過去に振り回されている二人の恋はとても不器用で
些細な事で相手を疑ったり、受け入れられなくなったりします。
そんなすれ違いを繰り返す二人の行方を
ほんの残りのページ数を数えてヤキモキしながら読みましたよ。
それだけに
ラスト~エピローグは心の底からほっと力を抜いて味わわせていただきました。
全体的に、抑えたトーンの文章ながらも
その裏に隠れた熱がバシバシ伝わってくる、そんな作品でした。
奈良千春さんのイラストの雰囲気も、作風にピッタリで良かったです。
タイトルも、作品全体をひとことで要約しているようで上手いな~と思いました。
ネタバレなしで書きたいと思います。
橘さんはかなり好きな作家さんで、ずっと新刊を待ち続けています。
こちらの作品も大好きです。
受けのカンナは遊び慣れた風を装い、内面へ誰も踏み込ませないように自衛する大学生。
好きだった大人の男が本気の恋なんて鼻で笑うタイプだったため、傷ついた過去がある。
攻めのチカは、来るものは拒まずといった誰にでも優しく恋人を欠かさない不思議な雰囲気の青年。
カンナの友人・五十嵐がバイトをするバーで働いており、そこで出会う。
カンナは傷つきたくないので相手とは一線を引いてつきあいたいけれど、チカはそんなもの見えてませんといった感じの青年でかなり不思議系です。
物を食べたりトイレ行ったりがあまり想像できない感じでしょうか。
ただ、チカがそんな感じなのには原因があるのですが。
チカの正体(大げさ?)は読み進めていくと判明しますが、読み手としてわたしはよく穿った見方をするので素直じゃないタイプかと思いますが、そんなわたしも「マジか」と(笑
反面、途中出場してくる女の子はわかりやすかったですね。
でも良いんです、当て馬は必要ですからね!
カンナがどんなに魅力的であったとしても「キスまでしか許さないのにあんなにイレグイだろうか」と頭を傾げる部分もありますが、もうそんな小さいことは横に置いちゃうわ!というぐらいわたしはチカ素敵!とジタバタいたしました。(いいトシして…)
しかし作家買いのため、あらすじに目を通さず読み始めてしまいカンナの友人・五十嵐が相手かと思って「うーん、好みじゃないかも」なんて最初感じていました。あらすじは多少は読むべきですね…
ココナッツ様、コメントありがとうございます!返信、こちらで大丈夫でしょうか?読み専だったもので、不慣れですみません。
『唇』、良いですよね〜〜!チカみたいな自然体の攻めって、あんまりBLにいないですよね!あんな無自覚モテ男が「実は一途」で、カンナみたいな美人が「実は処女」だなんて……あぁ、BL尊いヾ(:3ノシヾ)ノシ 紅緒さん、お休み中なんですね……知らなかった。復帰されるのが待ち遠しいですね。
年上で遊びなれた男に本気になった。
本気を見せて重いと思われるのがイヤで
せいいっぱい背伸びして駆け引きを覚えた。
キスひとつに戸惑う純情を押し殺して“遊び”だと演じる恋に
苦しみ、疲れ・・・自分から初恋に幕を引いた 神流柚槻(カンナ)
本気で惚れたりするから馬鹿をみる
わかっていたのに、夜のクラブで遊びなれた余裕の笑みを浮かべる男
丘智周(チカ)に恋をする。
飽きられたくなくて、また駆け引きを演じる柚槻(カンナ)・・・
みたいな話でして
受けも攻めも、どこかアンバランスな存在感で
つかみどころのない空気感に焦れるっ。萌えるっ。
「唇で壊される。」というタイトルどーり
何度も柚槻の肌に落とされるチカの唇にチリチリと胸が焦がされるようでした。
初恋の痛手を抱えたまま、新しい恋をする柚槻
だいたい相手を好きになる行為自体が、すでに“重い”わけで
好きになればなるほど気持ちは重力を増す。
でも相手に重さを渡さないから
自分ばっかり重くて苦しくなっちゃうんだよね。
そのじれったさが恋なんだよーっ!!!
橘紅緒さんの作品を、はじめて読んだのですが
ものすごく読みやすかったし
焦れ焦れさせられて胸がジンジンした。
奈良千春さんの挿絵も、雰囲気があって良かったv
今までに読んだBL小説のなかで、いちばんハマった大好きな作品。まず最初にドラマCDを聞いて、端折られたシーンがどうしても読みたくて小説も買いました。結果、あんまり端折られてなかったんだけど(笑)
綺麗な顔をして、恋愛ゲームに慣れた風を気取っているけれど、本当は臆病でウブな大学生のカンナ(受け)。生い立ちのせいで、優しい無自覚人たらしになってしまった高校生のチカ(攻め)。軽い火遊びのつもりで、誘うようなことを先に言ったのはカンナ。でもすぐに、手のひらに乗っているのは自分の方だと気付く。恋愛で傷つくのはごめんだ、と思っているのに、好きという気持ちを止められなくて……
過去に読んだBL小説はストーリー性で読めちゃうものがほとんどだったなかで、『唇で壊される』は珍しいくらいキャラクターに惹き込まれた作品でした。
前半は特にきゅんとするシーンが目白押し!
はじめてチカにお持ち帰りされる夜のドキドキ。
振り回されることに苛立って、過去を引きずる自分を後悔して、そこから昇華するみたいにふたつの片思いが重なる、チカの部屋での一幕。
ああ〜〜、カンナとチカの話がもっともっと読みたい〜〜〜!!
余談:
CDから入った贔屓目かもしれませんが、CDのキャスティングやBGMはかなり良い感じ(個人的には完璧)に小説の雰囲気を掴んでいると思います。小説を読んでいても、カンナの声はのじけんさん、チカの声は神谷さんで再生されました。ドラマCDもおすすめです!
のりおちんさま、初めまして(*^^*)
わたしもこの作品大好きなので、レビューが上がっていてとても嬉しくコメントさせて頂きました。
わたしはチカが好きなのですが、この二人のお話もっと読みたいですよね。
橘さんは今は小説書かれていないようで、残念ですよね。
主人公も、そのお相手も恋愛体質で、恋愛を本当に丁寧に描いた作品でした。お仕事ものでも学校ものでもなく、誰かと付き合う付き合わないだけを焦点に丁寧に書いてるのは意外だけど珍しい気もしました。
最初は主人公の柚槻の方に問題があって恋愛がうまくいかないお話なのかと思ったら、お相手のチカのほうがもっとずっと複雑な人間でした。
読んでいてせつないし、ぐっときます。柚槻に幸せになってほしい、本当に幸せになれる恋人を手に入れて欲しいと思います。
でもすれ違いが多い分、読んでいてちょっと苦しいお話しでした。
最後の最後まではっきりとした答えが得られず、これはこのページで終われるのか??と思います。
やはりその分最後の数ページでいっきりラストスパートがかかっているのは物足りない感じがしました。
心理描写や展開は丁寧でゆっくりで引き込まれますが、その後どうなったのか、うまくいったのかの説明が最後の数ページというのはちょっと残念。一番肝心なはずなのでもっとページを費やして欲しかったです。
橘紅緒さんの小説には、独特の雰囲気があると思います。正反対な雰囲気が同居してる感じです。メルヘンでふわふわした雰囲気と、退廃してささくれた雰囲気。
どちらかといえば苦手な雰囲気なんですが、それでも最後までググッと惹き付けられて読んでしまいました。
主人公は恋愛にトラウマを持つ大学生です。
遊び相手はたくさんいて、挨拶のようにキスはするけど、それ以上は許さない。
そんな彼が、ある男と出会ってから変化しはじめます。募っていく恋心を制御できなくなるのだ。
二人で過ごす、さびれた部屋の一室、妙にリアリティがあって好きでした。互いの疲れた魂を癒しあうための場所として、最高のシチュエーションだと思いました。
『彼女(or浮気相手、セフレ)だと誤解して焼きもちをやいたが、実は妹(or姉、従姉妹、仲良しの友人)だった』みたいなオチだけはどうにかならないかなァ…BLによくあるんですが、私、この見え見えの展開で長ーく引っ張られるの、苦手なんですよねぇ。
超ネタバレです。
このお話って、ざっくりまとめちゃうと、
高校生と大学生の不器用で初々しい恋物語
って事だったと、読み終わってから気が付きました。
お話の展開上、途中まで高校生であることが意図的に隠されていたので、実は高校生だったのにビックリはいいのですが、、、
読後はチカの言動の曖昧さ、不安定さは年齢なりだったのねと納得できたけど、
最初、カンナの方が、いったいこの子は受けなのか、攻めなのか、迷ってしまったのが後を引いて、なかなか読みづらかった。
思わせぶりなストーリー展開だけでなく、イラストの影響もたぶんあって、
奈良さんの挿絵は、絵としては魅力的でも、この作品の雰囲気だと、寧ろもっとわかりやすくかわいい高星さんとか北畠さんや宝井さんのイラストだったら、カンナのことも、もっとすんなりイメージできたような、、、
こんな子供の恋に奈良さんの絵って、ちょっと馴染まなかったかも。
セブンデイズを読み返してふと原作者さんの本を読んでみたくなり、
高評価に期待して手に取ったのですが、うーん…。低評価ごめんなさい。
(以下ネタバレ)
チカのふらふら感は、まあ…一応納得。
でもカンナの設定は…ちょっと無理がありすぎないか、と思ってしまいます。
遊び慣れていて、「二股三股あたりまえ」と評されてるカンナが、
実はディープキスも『四年ぶり』、身を寄せ合って眠るのも『経験がない』って…。
評されてるだけで実は遊んでない、っていう設定ならわかるけど、
実際誰とでもふらふら遊びにいってて、
他の男のデート代を立て替えるようなマネまでする大人の男がいて、
それでやることは触れるキスだけっていうのは、設定として成り立たないような…。
相手が女の子ならまだわかるけど、男相手で、受け身で、それは無理なんじゃ…?
そんな付き合いでも相手が許してるのは、何か理由があるのかな?と思ったら、
思わせぶりに書かれていた相手はそれきり登場せず、とくに説明もなく…。
共通の友人である五十嵐がろくなフォローをしないところもすっきりしない。
チカの言動でカンナが不安定になって揺れる理由はわかるだろうに、
ただカンナや司を責めてチカをかばうだけで、
チカについてのフォローもヒントもやらないというのは、どうも不自然に思えて。
所々、お話に合わせてキャラが動かされている感がぬぐえませんでした。
これは完全に好みの問題ですが、文章もちょっと苦手でした…。
描写の丁寧な文は本来なら大好きなのですが、
橘さんの文は状況の描写が細かすぎて、かえって想像の『余地』が制限されるというか…
体の左右指定なども細かく入るので、
正しく想像することを強制されてる気がして、疲れてしまって。
寂れた部屋の雰囲気とか、綺麗な空気感の風景とか、それ自体は好みです。
二人がくっつくまでではなく、くっついてから話が佳境に入る、というところも良かった。
けれど正直言って特に意外な展開もなく、
ひっかかりが多かったせいかいまひとつ感情移入できず…。残念でした。