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hakuu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
たまにしか帰って来ないろくでなしの母を持つ那智。
金はあるが愛の無い家庭に世間体で縛られる有隆。
二人は高校時代にある成り行きで出会い、付き合うようになるのだが、それがどこまでも切ない。
体を繋いでいても、二人の幸せは儚げで綱渡り的。
一見ひねくれも者のように思える有隆ですが、気持ちは那智にだけ素直に向けられていて、とっても純粋で、那智だけが有隆の拠り所なのです。
二人はこっそり付き合っていたが、ある日有隆の家族に知られ無理やり引き離される。
二人が分かれる決定的な理由を作ったのは、那智の母が有隆の家に口止め料として金を要求した事が原因だった。
金を受け取った母は、那智をも捨てて男と逃げてしまいます。
情けなくて有隆に合わせる顔がない那智は、駆け落ちを約束した駅を通り越し別の処へと逃げてしまいます。
それから数年が経ち、ストーリーの核心へと進んでゆくのですが…。
二人の高校時代が本当に切ないのです。
別れたくて別れたのではない、しかもその理由を有隆は知らない。
再会した那智は、有隆が復習しに来たのかとビクビクします。
未練の残る那智、おまけに有隆は子供を連れて毎晩のように店に現れる。
罪悪感と未練と嫉妬、これらに押しつぶされそうになる那智。
一つ一つ、ゆっくりと解決していきますが、絡まった糸を解いていくような、そんなストーリーです。
過去と今の話がリンクして、奥深い二人の関係がとても切ないです。
別れはお互いを労わる気持ちから生まれ、どこまでも純粋です。
有隆は卑怯な手段をとってでも那智と復縁を望みますが、彼の本心もまた限りなく純粋なのでした。
気持ちがいいくらいのピュア・ラブ。
暖かい気持ちになる事、間違いなしです。
「白雨」「淡雪」「慈雨」とシリーズ化していますので、お気に召しましたら是非読んでいただきたい!
これは真崎さんでもかなり好きな作品なんです。
それぞれリンクした『雨』『雪』シリーズですが、私は『雪』CPの方はそれほどでもないんですね。いえ、決してキライじゃないですが。でもこちらの『雨』CPは大好き。
再会ものです。高校時代に愛し合って、別れて、8年後に再会して・・・
この高校時代のストーリーで、そのままハッピーエンドって作品は結構ありがちなんじゃないかと思うんですが(あるいは、時代によってはバッドエンド一直線もあり得るかと)、実際には『どうにもならない』『先がない』と別れを選択した那智(受)の気持ちがすごくよくわかってしまうんです。反面、有隆(攻)の焦燥もわかるから余計に辛く、切ない。
これは自分が年取ったからかもしれません。たぶん、もっと若いころならまた違った感想だったんじゃないかな。
ひとつだけ言わせてもらうなら、那智の母が酷過ぎる。親の自覚ないんだろうな。
『~雨』のシリーズタイトル通り、とてもしっとりした雰囲気の作品です。高校時代の関係はまさに『激情』としか言いようがないくらいなんですが、それでもなぜか読後は全般に静かなイメージなんですよ。
設定もストーリー展開も、ありがちと言えばその通りです。ドラマティックな別れ~再会愛。ドロドロ度の低い昼メロのような感じでしょうか。
それでも、この淡々とした甘すぎない・暗すぎない感じと那智のキャラクターが好きなんです。いえ、だからと言って有隆がダメってわけじゃないですよ。
真崎さん、それなりにでも好き作家さんではあるんですが、失礼ながら(もちろん個人的に)大当たりがないんです。『結構好き』は多いんですが『言葉にならない!神級!』がない。
実際、これも『神』までは行かないと思うんですが、それでもこれ読むたびに心理描写や全般的な雰囲気は好きだと感じますね。
正直、真崎さんは『ハズレ』も結構あるんですが、やっぱり新作チェックもしてなんだかんだ言いつつほとんど読んでしまうのは、こういうお気に入りに巡り合う可能性もあるからなんでしょうね。
再会モノ。
高校時代の時間の密度と焦燥感がいい。
優等生だった水沢と、金持ちの坊ちゃんで不良だった加賀。
正反対な押しつけられたボランティアがきっかけで恋をする二人。
けれど、その濃密な時間は加賀の家や水沢の母親によって壊され、引き離されてしまう。
状況が許さなかったすべてを自分のせいのように感じている水沢が切ないです。
子供のころは守れなかったもの。
そのあたりの展開は昼メロちっくですが、不思議とそれに違和感がない。
大人になって再会した二人の、色々変わっている部分もあるけどお互い大人になりきれてない所はちょっとかわいいです。
息子と張り合うなんて大人げないよお父さん!!
でもうっかりそんな所にときめいたりしてしまうワケです。
尾崎豊の「15の夜」を思い出させる作品。
10代、20代ならこういうのに感情移入しやすいのかもしれません。
しかし、40代にとってはちと説得力が足りない(苦笑)。
「大人はずるい、汚い」の考えに凝り固まっている加賀と
浮気性の母を持つ水沢の背景がやけにペラペラしてる。
出てくる大人たちがあまりにも漫画チックで、作品にへんな「青さ」を
感じるんですよ。
狂言廻し的な役割の先生が出てきますが、もうちょっとこの先生を
生かしてもよかったのでは…と思います。
それがマイナス点ではありますが、水沢が店長をしている
パティスリーカフェの雰囲気はなかなかいい。
そして気になるのがカフェのアルバイト2人!
主役のカップル二人よりも、アルバイト高校生たちのほうが
ある意味、大人びていて細かい空気を読んでいるのがなんとも興味深いところです。
高校生の匂うカップルが第一作目だそうで、
そうなると崎谷はるひの「ブルーサウンド」シリーズと比較したくなりますね~。
なるほど、そう考えると純愛モノっぽい雰囲気ながらHシーンが多いのもうなづける。
再会愛。校則違反でボランティアをすることになり、お互いを深く知ることになる優等生と不良。それは周りから見た符号なだけで、二人の間にはそんなレッテルは必要ない。恋から始まったわけではないのに、それでも二人でいたいと想うほどに惹かれあっていく。許されない恋など今の世の中にはないのに、心中するしかないと思い詰めるほど。
結局、受が姿を消し、心中は回避されるのですが。お互いに心を預けていると想っていた片割れが黙って消えるのって、失恋より哀しいこと。どんなに恨まれても、相手には幸せになってもらいたい、自分が幸せにするのでなくてもいいから。その想いが通じたから、再会してもまた愛せるのだと思う。
高校生のころのギラギラした感じと、大人になってからの雨のように優しい関係(でも強引)がどちらも読めて、二度おいしいです。
水沢那智は焼き菓子店を経営している。
そんな焼き菓子店にある日、閉店間際になって一万円を握り締め、「全部ください」という男の子が現れる。
そんな日が2、3日続いた後、水沢は不思議に思って、「保護者を連れておいで」と告げる。
すると、保護者として現れたのは、水沢のかつての恋人・加賀有隆だった。
高校時代に、ひょんなことから関係を持った水沢と加賀は抱き合わずにはいられないほどにお互いを想い合う。
けれど、大企業の社長の息子である加賀と一般人である水沢とでは立場が違いすぎた。
どこからか加賀と水沢の仲を知った加賀の父親が、水沢の母親を通して水沢に加賀と別れるように圧力をかけてきたのだ。
最後は二人で共に死ぬ約束までした二人だったが、水沢は加賀を置き去りにして逃げてしまう。
そんな裏切ったはずの加賀が八年ぶりに現れ、以前の面影を残しつつ、水沢に対して穏やかに微笑んだ。
そんな加賀の真意が見えず、水沢は心惑う……
という話でした。
ぼろぼろになって別れた二人が年月を経て再会し、再び付き合いだすまでのお話。
どちらかというと、若き日々の恋愛がメインで、大人になってからの二人はちょっとした戸惑いもありつつも、やがて元鞘に……という感じでした。
子どものどうにもならない悔しい気持ちが、歳月を経てようやく結びつく……って、純愛ですよね。
こんなことって実際にはないんだと思うんですが、こういう話はいつ読んでも憧れるし、切ない気持ちになります。
特に子どものどうにもならなさは、すごく身につまされるのでじんわり沁みてきました。
純愛物が好きな方にはオススメです。