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colorful ni himitsu wo tsumete
子どもの頃に病弱で、祖父母に預けられて育った広哉。
祖父母には大事にされたが、寝てばかりの生活で、周囲から、そして自分の感情からも一歩引いてしまうような性格。
弟の春親は、父親の期待を、広哉の分まで一身に背負わされて、高校卒業を目前に父親と衝突して家出してしまう。
広哉はある日、家出中の春親にいきなり呼び出され、一緒に暮らそうと、持ちかけられるが、、、
そんな導入で、広哉が暮らしはじめたのは、「玉翠荘」という、名前は古めかしいけど、普通にこぎれいなマンション。
オーナー(代理)は、広哉が高校生時代に淡い片思いをしていた、春親の家庭教師・伊勢。
広哉は、再会した伊勢に、改めて恋をするのですが、、、
広哉と伊勢は、もう、最初からあからさまに両思い。
なのに、広哉が自分にそんなことが起こるわけがないと思いこんでしまっているために紆余曲折。
広哉って、ここまで自己認識が低くて、人からのアプローチに鈍感となると、ほとんど自己チューの俺様男と紙一重です。
伊勢の想いを、受け取るとか、疑う以前に、全く存在しない物だと思いこんでいるんですから。
伊勢は、そんな広哉にがっくりしつつも、オトナの余裕と惚れた弱みで、広哉が覚醒して、成長していくことを待ってあげるのでしょう。
でも、エチはのんびりまったりしないで、ガンガン開発していくけどな。
広哉も、その辺は結構積極的に応じていくしな(笑)
のんびりと、ほのぼのとしていて、読後感のいい作品でした。
玉翠荘シリーズとなる1冊目です。
1冊すべて表題作で、広哉(受け)の視点でストーリーは進みます。
いわゆる下宿・同居モノ。
弟の春親に頼まれて、「玉翠荘」の管理人仕事を手伝うことになり、そこでオーナーの伊勢(攻め)と再会します。
一緒に暮らすうちに徐々に…と言いたいところですが、伊勢は結構最初からガッツキな感じです。広哉に警戒されないように隠してはいますが読者には分かる的な。
なぜだか私はその伊勢が素敵だと思えませんでした。
どうにも信用ができないと言いますか…なので、「はなから信じていない」広哉を健気に思わず、うんうんわかる、と妙に納得してました。
終盤、伊勢の秘密によるうさんくささも解明されるのですが、元妻と春親のイタズラで広哉ともめる展開はもっと長くても良かった気がします。広哉に冷たくされて伊勢がもっと慌てると面白かったのに、と酷いことを考えたり(笑)。
素直に嫌がらせされておきながら「なんの関係もない」と言い切る伊勢も、それで納得する広哉にもモヤモヤして不満が残りました。
坂井先生は日常生活の中で恋愛関係になるという、設定に派手さはない作品が多いのですが、そういう話は登場人物に好感が持てないとなかなか難しいなぁと思いました。春親のその後の話「不協和音も秘密のスパイス」の方が好きでした。
横川との会話が意外と息抜き的に楽しかったので、もう一人くらい下宿人が出て、伊勢が困惑する様が見れたら溜飲が下がったかも!と思いました。広哉の鈍いところや考え方は好きでした。