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いわゆる「衝撃のラスト」系の作品である事を知り、あらすじもレビューも何も読まずトライしてみました。
冒頭、同級生のゴーマン野郎・祐介に乱暴に犯される俊一。
犯される現場を覗き見ている「猫」。
俊一は特にひ弱というわけでもないのですが、大して抵抗もせず、誰にも相談もせず、俺様の祐介の要求に従っています。
7年たって肉体関係の強要は無くなっても、時々呼び出されては自慢やら愚痴やらのはけ口になっている俊一。
ある日祐介は、塾講師の俊一に弟の育美の家庭教師になって欲しいと言い出します。
久々に会った育美から、祐介と同じように襲われて……!
育美にも抵抗できない俊一。でも育美は祐介と違って優しく触れてくる。
段々甘く、激しくなっていく2人の行為。本作ではエロシーンは回数も多く、描写も実にネチっこく、熱っぽいのです。
女はダメになって祐介のやり方みたいに痛いのもダメな俊一も、好きだ、と言って長く長くキスをしてくるような育美のやり方に溺れていくんですね。この辺りは育美も俊一もお互いに堕ちていく感じがなかなかダークです。
さて、そんな2人の関係が祐介にバレます。そこからはまあ予想通りの展開ながら、あら2人はどうなるの?と心配になるんだけれど、「衝撃のラスト」はここからです。
確かにうわーっとなりました。
ナイフが出てきて最悪の終わりを覚悟しましたが、ここだけはネタバレしてしまおうかな、死ネタではありませんでした。
これも一つのハッピーエンド…ですね。ブラックなハッピーエンド。
電子書籍で読了。挿絵有り。
ネタバレなしで読まないといけない本だと思いますので、出来る限りお話の具体的な内容には触れない様にします
紙の本は2007年出版なんですね。
現在ではこのお話の形は『一つのジャンル』になっているような気がします。
で、私はそのジャンルのお話が結構好きなんですよ。もう既にこのお話よりも後に書かれたものをいくつか読んでいます。後発のものの方が(改良を重ねるせいか)色々と巧みになっているような気がします。
出版当時読んでいたら、間違いなくもっと高評価を付けただろうと思います。出会った時期が悪かった。
(ホントかどうか解りませんが)このジャンルの創生期っぽい作品として興味深く読ませていただきました。
レビュー読まずに購入、読了。事前にレビュー読まなくて正解でした!
表紙だけ見るとダークな感じしませんが、意外にダークな雰囲気の話です。
あらすじを参考にした方がいいかも。
キャラについて語るとそれ自体ネタバレになりそうなので、
あらすじ読んで気になったらor秀さんのダーク系作品が好みなら、読んでみてもいいかも。
*** 以下ネタバレ、未読の方はスルー大推奨 ***
読んでる最中、
「ん?」「え、その発想の転換は無理がない?」と端々でちょこっと引っかかり、
うーん、このまま終わるならコレはハズレだったかなあ…と思いかけてたところで、あれです。
それまでに感じた引っかかりを見事に全部拾ってくれたのには、拍手!
なるほどそうか、「引っかかり」にまんまと引っかけられてたのは私だったのね…という。
モノローグに嘘…というかちょっと本音ではない意見が混じってたりするのは
ちょっとズルいなーと思うけれども。そこまできっちり計算してあったら神をつけたかも。
このエンディング、私はむしろ痛快に感じました。
俊一は賢いし冷静なのに、どうしてこんな弱気で流され体質??と、
モヤモヤしてたのがすっきり! したたかさに安心してしまった。
あの場面の語り口がサスペンスっぽい上に、
ナイフなんか出てきたからそこはかとないヤンデレ臭がしてますが、
俊一の仕掛けたことってよく考えると別に酷くも悪くもないんですよね。
恋愛においての計算と根回しなんて、
程度の差はあれ、無意識のうちにでも、誰でもやること。
何より育美が想ってくれなければ何の意味もなく、害もない、賭けだったわけで。
そしてこの「ド根性粘着」っぷりならきっとすぐ仕事見つけて、でもあえて
育美の罪悪感を育てるためにちょっと間を置く…ぐらいのことはやってのけるでしょうw
次の闘いに向けて万全に体勢を整え、したたかに生きていくだろうと思います。
高校生時代、同級生からカラダだけの関係を迫られ、やっとそこから解放され、やっと恋人と言える相手が出来、幸せの端っこをつかんだように見えて、「幸せになるんだよ~。ちょっと大変そうだけど……」と思っていたのに、すべてがそこへ向けての企みだったとは……。
種明かしの章を読んで、「幸せになってね」と思っていた気持ちが、すべてが吹き飛んじゃったというか。あまりの執着心に驚きでした。
この2人にどんな幸せが待っているのか、ホントに幸せになれるのか? と一抹の不安は残ってますが、きっとここまで考えての行動だったはずなので、これも2人の幸せの形なんでしょう。
すべての人が「ハッピーエンドだ」とは言えないと思いますが、ありきたりのBLに飽きた人にはぜひ読んで欲しいなぁ~。
とは言え、こんなラストが待っていたとは、全く知らずに読んだんですけど。
久しぶりに、秀さんにやられたな……って感じです。
秀 香穂里/個人教授 (KAIOHSHAガッシュ文庫)
純愛:☆☆☆☆
H度:☆☆☆
オススメ:☆☆☆☆
登場人物 受:俊一(塾講師) 攻:育美(高校生) 裕介(郁美の兄 俊一の初めての男)
年下攻めものかと思えば、サスペンスチックな話。
塾講師の俊一の用意周到な罠が見逃せません。
郁美(高校生)はきっと俊一の手のひらで一生過ごすんでしょうね・・・。その執着にぞっとします。
読み応えありかなり面白かったです。
先にドラマCD版を聴いていたので
種明かしを知りつつ読みましたが
それでもすごくおもしろかった。
できることなら自分の頭をリセットして
まっさらな状態で、原作から読みたかったーっ。
そんな一冊。
高校時代に同級生の祐介に性的なはけ口にされつづけた俊一。
犯される姿をじっと見つめていたのは祐介の弟の育美(11歳)
俊一は7年経ち成長した育美の家庭教師をすることになるのですが
「勉強なんかどうでもいいから、男の味を教えてよ」と
育美に組み敷かれてしまうのだった。
というはじまりなのですが
コロン、チェスの駒・・・
秀さんの仕込んだ罠に見事にヤラれたーっ。
巧妙に綿密に計画された罠にハマってしまったのは
いったい誰だったのか?
サスペンスというわけではないですが
男が男を手に入れたいと思う執念の強さを感じます。
本当に欲しいと願ったものを完全に手に入れるというのは
すさまじい執念なのですね・・・。
愛って怖いっv
エロは多め。
これでもかってくらい入ってます。
一度果てて萎えたのを11歳の頃のサイズに見立てて
セックスするさまは、とっても淫靡な感じがしましたv
秀さんの作品なので、ドロドロのエロエロを想像していたのですが、私の心に残ったのは、昨今の教育事情とその問題について、主人公の俊一が細かく考えているところです。この部分だけ抜き出して、文科省にでも提示したくなるくらい。
で、お話ですが、鼻持ちならない男葛原佑介に高校時代弄ばれながら、その7歳下の弟に恋心を抱いていた永江俊一が、その弟育美と結ばれていくといった内容です。しかし、そこは一筋縄ではいかない構成になっておりまして、上手くいっているようで綱渡りをしているような危うい感じが続いています。
最終的にはハッピーエンドだと思うのですが、そこがいまひとつスッキリしない終わり方で、先々に不安を残したままという…
教育問題を考えながらエロも欲しいという方向けです。