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ookami ha ummei no tsugai ni shuuchaku suru
ラブストーリーとしても満足だったし、エロシーンもイラストもよかった。でも続きが気になって一気に読んでしまったから、物足りなくなっちゃって続きが欲しくなった。
物語の最初はルーク(受け)視点で、第二性の存在、特に「Ω性が受け入れられない」という気持ちからはじまる。
子どもの頃に番にしたというウィリアム(攻め)。事情を知るまでは、ルークにとっていい思い出ではないから覚えていないのかと思っていたので、正直あまり良い印象ではなかったけども。知った後では、むしろ攻めが不憫に思える。当時のウィリアムは、自分の事情を話すこともできなかったし、何もできることがなかったんだなと、やるせなさすら感じる。
でもΩという性別が受け入れられないルークにとっては、それがある種の救いだったのかなとも思える。もし運命の番が別の人間だったり、当時のウィリアムが番にしなかったりしたら、もっと早くに発情期が訪れていたかもしれない。それが問題の先送りにしかならなくても、ルークが別の世界に慣れる時間ができたことは良かったことだと思えるので、無駄ではなかったと思う。
そうやって色んな事情が絡み合って、お互いにはお互いしかいない、そういう運命を感じられる。魂の番とか運命の番とかただそれだけで終わらず、ただ単に相手に惹かれるだけじゃない運命を感じれるのがとても良いと思う。
そんな2人が、共有する時間を重ねて愛を深めていくのが素敵だと思ったし、特に続きが読みたいと思ったところでもある。
そして一番格好良かったセリフがこれ。
「番の言葉を信じないはずがない」
これは、ウィリアムがルークの前世の話を信じてることに、ルークが疑問をもった時のその返答。
この「信じないはずがない」っていう言葉、今まであんまり好きじゃなかったんだけど、このセリフは滅茶苦茶かっこよく聞こえた。
この言葉って、「これまでも信じてたし、これからも信じるよ」っていう意味で使わないと意味がない言葉だと思うし。ただのその辺の男が未来の事柄に対して言っても、そこに裏打ちされた説得力がないと意味がないと思うわけよ。何度それでモヤッとしたことか…。
でもこの場合は、「もうすでに信じてたんだよ」っていう気持ちが、それまでの会話でちゃんと伝わってきているから信じれるというか。それに、ウィリアムが先にルークを信じたことで、運命の番が存在しない世界から来たルークも運命とか関係なく、相手を信じるっていう行為をちゃんと返せたように感じて、それがとても良いなと思った。
電子書籍(BOOK☆WALKER、本文6p〜212p、イラスト217p〜227p)
陸裕先生なのでマストバイ。お話は王道なんですけど、犬派な私にはたまらなかったので萌にしました。怒られそうになった時の、犬の上目遣いに弱い方でしたらおススメです。本編210Pほど+あとがき。
14歳になるとさっさと義務化されている検査を受けて、バース性を確定されるのですが、ヒートもこないしと18歳ギリギリまで検査を受けていなかったルーク。転生前の記憶があるので、オメガなんて冗談じゃないと考えていたのですが、検査結果はオメガ。しかも既に家格がすごく上の公爵家から嫁にという申し出まであり・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
サフィ(攻め宅のでっかい犬)、隣国の王女、攻め宅の使用人等。
++攻め受けについて
受けは転生していて記憶あるから、オメガだったら妊娠、出産なんてありえねーと思っていた方。嫁ぎ先で攻めの秘密(狼ちゃんになっちゃう)を明かされた時は、まーそんなこともあるかとすんなり受け入れ(これも転生前の記憶によって寛容になっていたからか?)、昼間は狼ちゃん姿の攻めを撫でまわしてます。
好きだったのが攻め。狼になっちゃうという運命を背負っているものの、まっすぐな気質でいるのは、早い時期に受けに出会って番にしていたからでしょうか?良い方なんですよ、この方。子どもを産むのはなあ・・と思っていた受けに「俺が生んでやれれば良かったのだが」と言ってあげたりするんですよ。そんな風に言ってもらえるだけでも嬉しいですもんね。それに加えて、狼姿を最大限に生かして受けの機嫌を取るんですよ。そこが犬好きには堪んなかったですねー。抱きつぶされた翌朝、気分はぷんぷんなんですけど、きゅうーん・・って鳴かれて耳をぺしょんとさせて上目遣いに見られたら、もうしょーがないなああ・・・ってなるんですよね。ずるいっちゃずるいんですけど、それで夫夫円満になるなら♡
お話は王道なんですけど攻めのわんこな様子が好きな一冊でした。