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KAREN文庫Mシリーズは結構ドロドロ系があって好みなのですが、これが一番キました!!
禁断の”死”というアイテムが3編も入ってしまって、しかも憎しみ、嫉妬、後悔、人間の怖い暗い部分も、子供の無知がゆえの残酷さも、そんな暗い面をも暴きだした、イタイ一冊です。
表題作、嫉妬が生んだ究極の略奪愛ですが、これを行う少年の恐ろしいまでの執着と執念に背筋がゾっとします。
しかし、ある意味相手の男性(姉の夫)も共犯者であるのです。
そして更に突き詰めれば、姉の結婚の動機もまたお見合い3カ月の即決という安易な決断がそもそものきっかけであったのかと・・・
画家の義兄が主人公の少年に着せる白ムクの打ち掛けというのが、あまりにも印象的でした。
堕ちるところまで落ちてしまえ!!
「暁生」
9年ぶりに帰郷した幼馴染は、死の最後に思い続けたその友人に会うためだけにここに戻ってきたのです。
自室の鎧戸の隙間から見える暁生の自慰に欲情する主人公。
そして暁生の願いが聴き遂げられた時、おとなによって引き裂かれる二人。
始めからバッドエンドまるわかりの話ですが、なぜか惹きつけてやまないこれも執着なのでしょうか。
「潮騒が聞こえる」
冴えない数学の教師と関係を持った生徒。
盗み見をしてしまった友人のいらぬおせっかいが、二人を離れ離れにする。
先生がいなくなって初めて知った、あれが愛だったんだと。
「風になっていきたい」
エッチはありません、あくまでも純粋な初恋だと想います。
別離・とまどい・後悔
二人の気持ちが悲しくて、思わず涙を落していました。
きっと、こういう作品というのは好みがはっきり分かれるのでしょう。
しかし、心をえぐる作品というのは、ともすれば痛みをともなうもの。
人間の奥底に潜む闇の部分を認めてしまいませんか?
全て小ジュネ掲載の短編集です。
そのため(?)に4作中3作はラストで誰かが亡くなっています。
表題作はJUNE全集10巻の『短編小説傑作集』にも収録されました。
この作品が一番印象深かったので、河上さんの他の作品も読んでみたいと思いこの文庫を購入したのですが、他はいまいち私の好みではなかったです。
残念。
『暁生』
幼なじみの再会モノ。
台詞だけでなく全て大阪弁で書かれています。
地の文までというのはちょっとくどいかな?
暁生くん、部屋にカーテンなかったの?
『潮騒が聞こえる』
先生×生徒。
生徒がクラスメイトにラグビー部へ勧誘されていたので、生徒×先生なのかと勘違いしました。
片方は本気、片方は遊び。
ストーリー的には木原チック?
唯一人死にのない話でしたが、一番後味が悪いです。
『微笑う人魚姫』
一読の価値あり。
姉の夫である響一郎に対し、義兄以上の思いを抱くようになる綴。
姉を裏切ることを悩み、涙する。
その涙は本物だったはずですが・・・。
もし綴が女性だったなら、同性に嫌われるタイプになっていたでしょう。
そういう性格です。
『風になって行きたい』
幼なじみの別離モノ。
淡く幼い恋心。
母親の死によって二人は離れ離れに。
そして事態は急展開。
タイトルのために殺されたのか?