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hakoiri miko wo kadowakasu
2025年春庭で発売された丸木戸マキ先生の10周年本でその存在を知った作品。
丸木戸マキ先生原案と銘打たれていますが、脚本も演出も含めほぼ先生の作品だそうです。
日本の伝承、神話と、相続問題、お家騒動、現在社会の問題、いろいろな題材が盛り込まれているのに世界観と物語がばらつかず、見事に調和しています。
ある島で代々、受け継がれてきた神子の能力、託宣に目を付け、のっとり、発展してきた平岡家。
神子からの託宣を得るためには性的な行為をして、神子に気をやらせないといけないけれど、純潔さは失わせてはいけないという決まりがあります。
性的と事と純潔さと、という矛盾があるようで矛盾がなく、それが伝承であり必要なことであるというのが、おもしろく恐ろしいです。果たして神なのか、邪神なのでは、と勘繰ってしまいます。
平岡家には3人の息子、父親が亡くなり、選挙に出ることを決めそのためにも平岡家のすべてを手に入れる必要がある長男。父親の遺言書で、唯一の相続人となったと、次男と三男を家から追い出そうとします。
次男は絵にかいたようなクズ、ギャンブルと借金を繰り返し、父親に多大な迷惑をかけてきました。
三男は愛人の子どもで、上の2人と年齢が離れており、父親にはそれなりにかわいがられてきたのですが、三流大学卒でニート、という、次男よりはマシだけど、かなりろくでもない状態です。
遺産相続対象から外され激怒した次男が、三男を脅し誘い、平岡家の存続と発展に欠かせない神子を無理やり連れだし、東京のホテルに隠し、さっそくの儀式、託宣で三千万を得て、しばらくは悠々自適に過ごす、と神子を見張るよう三男に命じて2人をホテルに残していきます。
そこから2人の不思議な生活が始まります。
誘拐、監禁、という犯罪行為ですが、三男は長男と次男に貶められ見下されてきて自己肯定感がとても低く、命じられるままに神子の世話をしつつ、ホテルで暮らすようになります。
神子、託宣、という日本昔話のような題材ですが、引きこもりニートと、神子の共通して楽しめるものが、ゲーム、というのがいかにも現代風で、違和感があるようで、ないのがおもしろいです。
ゲームしか取り柄がなくて、生活していけないさそうな2人が、ゲーム実況やプロゲーマーでお金を稼いで生活していくことができるであろうことを示唆しているエピソードでもあると思います。(続編につながってほしい)
子どものころに神子の儀式を見て、誘拐後に次男の借金返済と遊ぶ資金のための儀式を見て、何度も神子の艶めかしい様子を見てしまった三男。そんな神子とホテルで2人きりで残されて、雰囲気が良くなって思わず手を出してしまうのでは、と心配してしまいますが、気の弱さや、神子への感情、自分の倫理観などから我慢し続けている様子は、じわじわとかわいく感じました。
神子も三男も、世間知らずの箱入りなのだと思わされるエピソードがいくつかあります。
かわいらしくて笑えもしますし、その環境を考えて切なく悲しくもなります。
家族による因果の翻弄され、不幸な環境の2人が身を寄せ合う様子は、お先真っ暗という気持ちになり、明治時代あたりの純文学だったら、このまま心中というラストになりそうなくらいの重たさです。
ホテルの部屋の中という閉ざされた空間で数週間の穏やかな日々を過ごした2人。
強欲で自分勝手な長男と次男が近付き、そこで三男はある決断をします。
先が読めない話の展開にどきどき、心をつかまれ、惹きこまれました。
2人で決めて2人で行ったあることと、2人の未来、切なく深い愛情を感じる素敵なラストでした。
途中で明かされた神子の寿命に関するエピソードの際、長男が後継者のために神子の精液を採取したことがわかっています。この精液の行方がかなり気になるラストでした。
ジュラシックパークのラスト間近の、研究所から持ち出した恐竜のDNA(卵だったかな?)が、騒動の中で地面に落とされたままになったように、これから何か起こることを示唆しているように感じました。
2人がゲーム関連で生計を立てている未来に、神子の精液によって生まれた次の神子と関わることになっていく続編につながるのでは、と期待しています。
人物設定も台詞も苦しい気持ちや展開も、まるごと丸木戸マキ先生ワールドの作品でした。
いくつか次につながるエピソードもあるので、続編をぜひ。
丸木戸マキ先生ご自身でコミカライズもしてほしいです。
丸木戸マキ先生原案のオリジナルBLボイスドラマ。
地元の権力者一族のゴタゴタとか、神子を監禁して行う性的な儀式とか、退廃的な空気漂う設定にまず惹き付けられました!
雰囲気だけなら昭和因習村の座敷牢みたいな(※全然違う)泥沼ぽさもあるんですが、蓋を開けてみたらほのぼの純愛なので安心して聞けます。
でも脇役のお兄ちゃんはかなりゲス。挿入まではいかないものの、受けが快感を得ることで信託を行う儀式(モブレ?)があるので大変背徳的でえっちでした。それを見せつけられてる攻め羨ましい。
伊東健人さんが演じるのは、資産家一族に愛人の息子として生まれた気の弱い引きこもりオタク・権太郎。田丸篤志さんが演じるのは、神託の能力を持ち平岡家に囲われている美しい神子・光津希(みづき)。
伊東さんの卑屈ヘタレ年下攻め、めっちゃ可愛かった!気弱で優しい声色よきよき。思わず応援したくなります。出生の引け目でネガティブだけど、実は体格も良いし、途中からギアかかって本格的にかっこよくなります!こんな良い男がDTだったなんて…ふふふ…。原体験がかつて光津希さんの儀式を覗き見したことだったのがグッときました。
田丸篤志さんの神子は、儚く神秘的で色っぽいのに、清らかで不憫という性癖ハッピーセット。抑揚控えめの美人声が雰囲気出てました!浮世離れ感〜。今まで非人道的な扱いを受けてきたのに腐らず歪まず、割とマイペースに人生楽しんでそうなまろやかなお芝居が救いでした。不器用そうだけど攻めにヨシヨシしてくれるとこ優しい…!
これからは2人で思う存分ゲーム楽しんでね…泣
配信限定だからなのかもしれませんが、このクオリティで1,210円は安すぎます….。丸木戸マキ先生の爆萌え美麗漫画8Pと、収録用台本までついてきてお得感たっぷりでした♪
丸木戸マキ先生原案で、キャストが伊東健人さん&田丸篤志さんのボイスドラマなんて最高すぎる!
しかもボイスドラマ全編66分+収録用台本+後日談漫画8Pまでついて1,210円!!本当に?こんなに安くていいんですか!?と、歓喜しながら購入しました(笑)
[キャラクター]
・平岡権太郎(攻)
資産家である平岡家に愛人の子供(非嫡出子)として生まれた。孤独を感じて生きており、気が弱い為、異母兄弟である二人の兄に逆らえない。引きこもりオタクでニート。幼い頃にふすま越しに見た"儀式"の光景を忘れられずにいた。
・天元光津希(受)
とある島に伝えられている神子の一族。
快感を与えられ絶頂を迎える事で神託(神のお告げを聞く事。託宣とも言う)を行う事ができる。
その能力を買われ、天元家は代々地元の権力者である平岡家に囲われ、俗世から隔離されて生きている。
月に一度神託をする為に生かされ、神子として囲われたまま死んでいく未来も受け入れるつもりでいた。
・他の登場人物
平岡総一(長男)政治家の父親が亡くなり後を継いだばかり。現在光津希を囲っているのは総一。性格は冷淡。
平岡劉二(次男)素行が悪く、平岡家からは勘当されている。典型的なゲス男。
[ストーリーの始まり]
父親が亡くなり、遺言書に「遺産は長男だけに残す」と書いてあった事にキレた次男が、平岡家から光津希をさらい、権太郎は無理やりその企てを手伝わされる事になる。
長男に見つからないように、二人きりでホテルに潜伏する事になった権太郎と光津希。
お互いの心の隙間を埋める様に惹かれあい、自分を大事に思ってくれる相手と出会えた事で、狭い世界で生きて来た二人は、共に大きな一歩を踏み出す……
[個人的好きポイント]
・神子キャラと田丸さんのお声の相性がいい!
澄んだ綺麗な声はそのままに、低めで、ゆったりした話し方で演じられてるんですが、それが神子の神秘的で浮世離れした雰囲気が出てて、すごくハマってました。
・光津希は平岡家に囲われてる間、与えられたゲームをして過ごしていたので、実はゲーマーだったり、権太郎に借りたスマホで、有料と知らずソシャゲに課金して怒られたり、ギャグ要素もあって面白い。世間知らずな光津希のキャラが天然ぽくて可愛かったです。
・快感を与えて絶頂させる儀式についてですが、してはいけない事に「貫いてはいけない」という掟があります。そうなんです、光津希はれっきとした処女!
清らかな体にしか神様が降りて来ないので、処女喪失=神子の力も喪失してまう事になるんです。
散々快楽を与えられて、エロい体にされてるのに処女って素晴らしい設定ですね(気持ちよさそうな喘ぎがエロかったです)笑
さらに、30歳を過ぎて神子を引退しないと早くに死んでしまうという事実を知って、神子の力なんていらないから長生きしてずっと一緒にいて欲しいと、光津希を抱いた権太郎にグッときました。
・居場所が見つかってしまい、光津希を守る為に長男に一撃必殺をくらわせた権太郎からは、もう初めの頃の兄の言いなりなだけの気弱なニートとは違い、成長を感じられてカッコよかったです。
年下ながら、光津希を守りたいという思いが伝わって来て、この辺りからの伊東さんの演技すごく好きでした。
えちシーンでは「じょうずだぞ」って光津希に言われて「初めてだからって揶揄うなよ」と苦笑いしながら返したり、気持ち良さそうな攻め喘ぎも、童貞感が出てて最高に萌えました。
[注意点]
・次男の劉二と、光津希の割としっかりした絡みがあります。しかも権太郎の見てる前で。(ちなみに劉二のCVは高橋英則さんです。ゲスい演技がハマってました)
なので、メインCP同士以外の絡みが地雷な方はご注意下さい。
私も割と苦手なタイプなんですが、儀式だし、メインCPはまだお互いに結ばれる前だから、と言い聞かせて聴きました。
[最後に]
まさかここまで、しっかりした純愛ラブストーリーだとは思いませんでした。二人のキャラクターも、声も大好きで購入してからかなりリピして聴いてます。大満足です。
なかなか見られない台本も、この文字から声優さんはこんな風に演技されて声をあてられるんだなと、改めて声優さんって凄いなぁと、思いました。
後日談の漫画も、丸木戸先生の絵で、その後の二人の姿が見られて嬉しかったです。
がるまに専売のボイスドラマで、CDではなく電子配信だから出来た低価格だと思います(内容はお値段以上の満足感です!)
興味がある方は、無料視聴で冒頭の15分聴けるのでぜひ聴いてみて下さい!