少年人形

shounen ningyou

少年人形
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神42
  • 萌×216
  • 萌21
  • 中立8
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
24
得点
345
評価数
93
平均
3.9 / 5
神率
45.2%
著者
崎谷はるひ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
佳嶋 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
勘弁してくれ
発売日
価格
¥1,190(税抜)  
ISBN
9784813011620

あらすじ

全部、俺が女の子にしてあげる──名門進学校に通う遠山由宇は、多忙な両親に代わり、義理の叔父である瀬名匠によって大切に大切に育てられる。誰よりも自分を甘やかしてくれる匠を由宇も心から慕っていた。でも、もう甘えることはできなかった。なぜなら、自分のなかにある背徳と禁忌を知ってしまったから……けれど、由宇の欲望が露になったとき、ふたりの新たな関係が始まり──心と体を支配する、甘く残酷な官能と恋の物語。
(以上、版元あらすじ)

表題作少年人形

義理の叔父 匠
女装願望のある地味な高校生 由宇

その他の収録作品

  • 愛玩人形
  • あとがき

レビュー投稿数24

一風変わったBL小説

崎谷はるひさんの2007年の作品。
書評サイトを読むと、かなりエロ度高い作品なのだそう。
2007年の「凄い」を知りたくて、電子版を購入。

名門進学校に通う遠山由宇と、義理の叔父・瀬名匠の関係を綴る物語。

由宇を産んですぐ亡くなった母は、美しい人。父親も美丈夫。
でも虚弱児で生まれた由宇は、自分に自信がない、人見知り。
病弱で一年留年している、友達もいない。骨格の割に大きな前歯が生えてきて矯正具をいれていた、等々由宇が引っ込み思案で、学校で虐められる要素は沢山。

後妻の里香と 弟の匠は、そんな由宇を可愛いと、優しく接する希少な存在。
由宇の面倒を忙しい両親の代わりにずっと見てきたのは、匠。
匠は、由宇のどんなことも受け入れる、包容力を持っている。

由宇が万引きをする場面から始まる物語。
由宇が叔父の匠に邪魔な存在になりたくないと匠を避けていた。
由宇には、人に言えない願望があり、それを聞き入れてくれたのも匠。

・・面白い展開。
多分これは、叔父が溺愛する甥を、自分好みに時間をかけて育てて調教して、理想の恋人に仕立てていく過程を綴ったものなんだ、
と分かったら、ニヤニヤしながら読み終えました。

1

耽美系作品

今どきのBLストーリーとちょっと違った感じがするお話です。耽美系に近いのかもしれませんね。私的にはこういった感じの話が好きなのですがかなりかなり読む人を選ぶ作品だと思います。崎谷はるひさんが好きな人でもちょっと違った作風に手にするのを迷うかもしれませんね。挿絵もシュシュっと描いた細い線の絵が儚い感じがして雰囲気にはあっていると思いますが、個人的には、ちょっとイメージと違っていました。耽美作品が読みたいと思う人には絶対におすすめします。

2

二人の閉じた世界

主人公、遠山由宇が父の再婚相手の弟として出会ったのが瀬名匠。
匠に甘やかされ育てられいつしか、隣に寄り添いたいと思った時に
地味な自分ではだめだからと、きれいな女の子だったらそばにいられると
いう発想で女の子の装いをします。
挿絵もデコラティブで雰囲気充分でした。

これでもかとエッチが濃いです。
その度に、匠がいじわるってつぶやいていました。
作者は実験的な作品とあとがきで書いています。
大昔のJUNE時代の作品に通じるものがあります
正直、既思感も感じます。そういう世界観は嫌いではないのですが
BLというジャンルではもう少し攻めと受けの対等感や
受けの自立みたいなところがあればと思ってしまいましたが。

でも、そういうところを目指した作品ではなかったのですね〰

2

不健康な共依存

崎谷先生の作品がとても好きで色々と読みましたが、この少年人形の不健康さがとてもやみつきになります。
不健全ではないんです、不健康なのです。
色々と過程なども描かれていて、それでも不潔さを感じさせません。(個人差はもちろんありますが)
内容的にはひどく偏るところがあるので万人受けするとは思いませんが、ただのBL作品ではくくれないような病的であり芸術的な作品だと思います。

3

めくるめく、

背徳と禁忌の世界。


叔父に愛されるために女の子になりたい由宇
そんな由宇を身体だけでなく、心も調教していく叔父・匠

虚弱な少年と魅力的な叔父
ふたりだけの閉じた世界で繰り広げられる官能。
由宇の健気な想いと、匠の甘く残酷な支配が、すれ違いながらも通じ合っていく。


匠に愛されたい由宇と
由宇の想いが自分に向いていると気づかない匠


匠に愛されるために、ふさわしくなるために女の子になりたい由宇
その想いが匠に全く伝わっていないところが、もどかしく切ない。

最初から最後まで、ふたりだけの世界。
それが良いのか悪いのかはわからないけど。


作中のイラストもとても耽美で素敵。

5

崎谷先生は大好きな作家さんの一人ですが、

残念ながらこの作品は好みではありませんでした。
もちろん好き嫌いの問題であって、作品自体は良作だと思います。

実はお互い想い合っている2人なんですが、
微妙に気持ちがすれ違っている。
由宇は別に女装願望があるわけではなく、
ただ綺麗になる事で匠の傍に居るに相応し存在になりたかったんですよね。
その願いを、匠は「由宇には別に好きな男が居る」と思い込んでしまう。
そのせいか、エチが痛々しい事もあったり・・・

年の差・年上攻め等、私の大好物なんですが、
女装エチシーンの描写がどうしてもダメでした。
しかも、すごく読みごたえのある本だったので、
途中で何度も挫折しかけましたよ、頑張って最後まで読みましたが(笑)

二人の気持が通じ合ってからは、すごく良かったです!

5

これぞ調教

受け、攻めともに依存していく様子を濃厚につづった一冊。

全編通してヤっているという印象しかないのに、不思議と心理描写まで描けていて、その移り行きをきちんと感じ取れる作品でした。
セックスにあたって準備とか、本来エグい部分も描かれている作品は珍しい。
しかも、そのエグさを感じさせない耽美な雰囲気には酔いそうでした(笑)
個人的に衝撃だったのは、小さいころのエピソードでしょうか。
受けが何の疑問も持っていなかった分、現在よりかなりアブナイ依存のしようです。
小学校入学までの空白の一年のエピソードとか気になるんですけど…!
個人的にショタが好きなので、おいしく頂けましたが(←)かなりの人はドン引きするような攻めの尽くしようでしたね。
そうやって現在に至るまで育てられて、高校生だと思えないような無垢な受け。
まさに、源氏に育てられた紫の上です。

しかし、この小説のマイナスは、挿絵でした。
私が小説を買うにあたって、かなり挿絵を重視する人間なのでかなりマイナスにさせていただきました。
内容が内容だけに、このような幻想的なイラストにするのは悪くないと思います。
えらく胴長であろうと、バランスが悪かろうと別に気にしません。
しかし、これはあくまで挿絵であることを忘れてほしくなかったです。
挿絵は、小説では伝わらないものを補うものです。
たとえば、文章に「笑顔」という文字があったとして、その挿絵を見ます。すると、「ああ、このキャラクターはこんなはにかむような笑顔なんだな」と、新たな発見があります。文章では伝わりきれないものを表現できるのが挿絵の役目なのです。
しかし、この作品の挿絵の場合、そのようなものは一切ありません。
文章がないと、何をしているシーンなのかもわからない。表情も似たり寄ったり。
文章があるから、ああ、悲しいんだなと分かる程度。
一枚絵ならともかく、挿絵がこれでいいのか。
文章に補ってもらわないと分からないような挿絵なんて、私には、受け入れられませんでした。

8

読む人を選ぶ、とは思います

読む人を選ぶ作品ではあるけれど、傑作だと思います。
挿絵の佳嶋さんの表紙の独特の雰囲気が内容を物語っています。
どこか退廃的で倒錯的、言うなればJUNEっぽい香りのする作品で、これをもっと文学的に書けば普通に文学としてイケるんじゃないかと思うんですよね。
それ位の精神的美学というか、BLの枠を超えた何かを感じます。

由宇〔受〕は女の子になりたい。
そんな願望を義理の叔父である匠〔攻〕が丁寧にじっくり時間と手間をかけて叶えてくれます。
そのプロセスはとても丁寧で詳細に描写されていて、エロなんだけどそれはどこか美しいのです。
この辺りは語るよりも実際に読んでこの空気感を感じてくれとしか言えない部分が多い。

自分的には今のところ、これが崎谷さん作品ナンバー1の傑作だと思ってます。

7

崎谷作品の真髄

BLというくくりでは収まっていないような作品です。
耽美でJUNE的+純文学的な、古きよき時代の文学に精通する重さを感じる精神世界の話です。
あとがきで「当初はプレイ的な側面が多かった」と崎谷さんは仰っていましたが、きっとそれだと「ただやってみた感」だけが強くて、BLというカテゴライズでプレイ萌えの人には受けそうですが、改稿で精神性を重視されたのが正解でした。グッと濃くなった閉塞感に由宇というひとりの少年性の危うさが見事に描写されていたと思います。
ただ、個人的にはもう少し匠の心情を読みたかったという気持ちはあります。由宇を壊してしまいたいほどに愛している、という気持ちはわかるのですが、何故そこに至ったのか。彼の生きてきた環境の中で、愛情表現を歪ませてしまう何かがどこにあったのか。
その辺りがプレイ面が強すぎて、弱かったのが残念です。
ので、妄想補完しておきます。(笑)
※実は姉の里香のことがものすごく嫌いだったとか。虐待を受けていた、とか。何処かで匠自身にも性倒錯があったとか。

7

倒錯的な世界


おもしろい。
だけど読んだ後に少し胸焼けしそうな濃い話でした。

最初の「少年人形」は女の子になりたがってる由宇を義理の叔父の匠が女の子に変えていく話。

由宇が女の子に変わっていく過程がリアルでなんだか見てはいけない世界を見ているような気分になりました(・ω・)
匠が18歳の由宇をまるで幼児に言い聞かせるように話すので尚更。
由宇は自分が変だって悩んでるけど本当の変態は匠だと思う。

2話目の「愛玩人形」は男の格好のときは触らせないのに、女の子の格好のときはなんでも言うこと聞いちゃう由宇に焦れる匠の話。
きれいな格好じゃないと自信ないっていう由宇の気持ちもわからんではない。
だけど匠は元々男の子の由宇が好きだったんだから、じゃあ男の子のままでいいじゃん、って思いました。

たぶん私は由宇みたいな繊細さを持ってないからあまりこの話に入り込めなかった(..)

全体的に倒錯的な世界で絵も幻想的。なんだか一風変わったBLでした。

3

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