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ずっと昔に読んだはずなのに、贖罪のことをたまに思い出すので、昔の記憶を頼りにレビューします。
メインよりはサブの衝撃が大きすぎて、この贖罪ばかり読んでました。
(思い出補正がかかっているかもしれません)
朋彰のキャラクターがすごくいいです。
人間臭くて弱い部分もあるけど、恋さえしなければ芯があって男らしいです。
そのしっかりしたキャラクターと、修平が好きすぎてダメになってしまったときのギャップが激しいです。
そのギャップから朋彰の思いの大きさを感じて切なくなります。
修平にたくさん傷つけられて、長い間辛い思いをし続けて、最後はストーリー的にはハッピーエンドではないけど、修平の心から朋彰が消えることは一生ないと思うので、ある意味ハッピーエンドかもしれません。
でも、朋彰はそんなずるいことが許せる性格ではないので、不本意だろうなぁと思います。
来世では二人で幸せになってくれると思います。
90年代BLらしい悲恋モノ。表題作は再会ラブで、スレ違っていたけど再会してイチャイチャという再会モノの王道だった。
ガツンとやられたのは、「転校生」の前に収録されている「贖罪」だ。
前作「ロマンスの震源地」のリンク作。前作のメインキャラは殆ど絡んでこないで、脇キャラの恋なんだけど…。
本命(修平)が同性愛に嫌悪を抱いているから、声が似ている人を身代わりに抱いて貰っていた朋彰。しかし主人公修平は、朋彰を巡る修羅場に出くわし親友朋彰の本命が自分だと知る。
男同士なんてありえないと思っていた修平だが、朋彰なら抱きたいと思ってしまった。自分の心の変化に戸惑う修平は、「少し考える時間をくれ、絶対にお前の事理解するから」と押し倒しておきながら中断させて帰る準備をする。
修平の背中に向かって「好きだなんて絶対に言わない。もう絶対に困らせたりしないから傍に居て」と朋彰は懇願する。
だけど修平は自分と向き合う為に、後ろを振り返って朋彰を抱き締めたくなるのを堪えて部屋を出た。
修平としては、親友への想いや自分の気持ちを整理する時間が欲しかった。
考えて、悩んで、答えが出たら好きだと言って彼を抱くつもりだった。
だけど、朋彰にしたら待っているだけの時間は長すぎて。神経が衰弱しフラフラしていた。
事故なのか、自殺なのか、朋彰は修平の気持ちを知る前にこの世を去った。
親友という形に拘りすぎて、何も伝えられない。他の男に抱かれて、本命の修平を知る前に消えてしまった大事な人。
これで終わるのってちょっとビックリした。
すっごいピュアな関係で、お互いにお互いを真正面から想っていたから結局最後の一線は越えないままだった。
流石90年代BL、今の強引系や体が先で心は後から落とす的なBLマジックがなかった。贖罪に関しては。転校生は…まぁ、セオリー通りそういう要素がありましたけど。
運命の悪戯なのか、そんなスレ違いありかよって読んでズドーンと堕とされた。登場人物の多さに読み難さを感じたけど、読後感の衝撃は最近のBLじゃ味わえない程深かった。悲恋モノって、痛いからあんまり読まない様にしているんだけど…。
これは、ピュアな関係だからこそ残された方は堪らなくて、とても切なくなりました。