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oretachi igai wa nyuushitsu fuka
後輩・増本(ますもと)の誘いにつきあいで合コンに参加した晴樹は、増本の友人の知秋とひょんなことで意気投合し、一緒に合コンを抜け出して、知秋のマンションで飲みなおすことにします。
人付き合いが苦手で不器用な晴樹ですが、人懐こく明るい知秋には最初から構えることなく、話の流れで初めてあったその日に、知秋の祖父の持ち物だという豪華マンションでの同居に頷いてしまいます。
身構えることなく素の自分でいられる知秋との生活は楽しく、生真面目でクールに見られがちだった晴樹は会社でも明るく変わったと言われるように。
厳しい父とできのいい二人の兄に囲まれて育ち、自分に自信が持てずに友人つきあいも苦手だった晴樹は、初めての親友ができたと喜びを感じますが、ある日、知秋が自分に抱いているのは、友情ではなく愛情だと気づいてしまいます。
相手が自分に求めていたものが、自分が感じていた以上のものだと知っても、晴樹はそんなにびっくりしません。自分でも気づいていなかっただけで、早々に、自分の知秋への思いが恋だったと自分でも理解するからです。
何にも気づいていない晴樹に、知秋がジレて、ある日突然豹変し・・・・なんて展開もありません。知秋は、晴樹が自分を見てくれることを、辛抱強く待っているからです。
BLには珍しい、真っ当さです(笑)
2人が恋人になるまでが「オレたち以外は立ち入り禁止」です。
恋が芽生え、でもまだそれと形を成さない間から、一緒に暮らしている2人にはいちゃいちゃ感が漂っています。「成人男子のお・ま・ま・ご・と」を書きたかったということですが、なるほど、この可愛らしさは確かにそんな感じです。
リーマン同士ですが、アダルトというよりは高校生同士くらいの初々しさが感じられる2人でした。
一応、意地悪な後輩も出てはきますが、ちょっと吼えるだけで何にもせず、すぐにいい人になってます。晴樹の理解ある上司が、突然晴樹を押し倒し・・・なんてこともなくて、ホントに何にも起こりません。
恋をして、相手の存在を感じ、成長することで、晴樹の父や兄へのコンプレックスさえ霧散してしまいます。(「オレたち以外は入室不可!」)。
ただただ、相手が好き、一緒にいることが幸せ、そういう想いがいっぱいつまったお話なのですね。
すれ違いも喧嘩もドロドロの愛憎もないので、物足りないと感じるかたもいるかもしれませんが、安心して読めて癒されました。
“ドロドロ”がお好きなかたにはお薦めできませんが、可愛い二人がお好きなら。