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ookami denka ni gin-iro kogitsune no mitsuwaku
今回は西園寺家当主で黒狼族と執事見習いの犬族のお話です。
不遇だった受様が攻様に大切にされ幸せになるまでと
攻様が受様の郷について調べる続編短編を収録。
攻様の家は黒狼族の筆頭で
攻様は父の急逝で17才の若さで当主となります。
攻様は経済界の重鎮達の集う今日の会合でも
かつて貴族と呼ばれていた頃の名残を引きずり
値踏みする目でジロジロみてきて
気分の良いものではありませんでした。
その帰路、攻様と執事はイタチ族の中年男が
4、5才の幼い子供を罵倒している現場に遭遇します。
「どこかのモノ好きに売り飛ばしてやろうか」と
子供を威嚇する中年男に攻様は
「モノ好きだからこの子を買い取ろう」と
子供に手を差し出します。
この子が今回の受様です♪
受様は3年前に行商人が山道に蹲る子を保護したものの
宿屋に置き去りにされた子で、行き場がなく
そのまま置かれていた子でした。
執事はいい顔をしませんが
攻様は抱き上げた受様の笑顔につられたように
自然と微笑みが浮かびます。
攻様は受様を「養い後」として手元に置いて育て
13年後、執事の助手兼、攻様の見習い執事となります。
受様は見習い執事という肩書に恥じないように
立場をわきまえて攻様に接していますが
攻様には2人だけの空間では「ただの受様」でいる事を
望むのです。
多忙な攻様は疲弊した心身を受様と共にいる事で癒し
昔から蔑まれてきた受様の灰色の尻尾を
「俺が一番好きな花の色と同じだ」と褒めるのです。
攻様の好きな花とは
かつて攻様が迷い込んだ狼族の禁足地にのみ生息し、
忌み花とされる「銀月華」です。
受様は攻様から「銀月華」の話をきいた夜は
決まって灰色の花弁を広げる花の夢を見ていて・・・
黒狼筆頭家の当主である攻様とその養い子である受様の
もふもふファンタジーになります♪
身元不明で不憫な暮らしをしていた受様が
大家の当主となった攻様に拾われた事から始まる
王道の溺愛シンデレラストーリーなのですが
受様が見た目通りの犬族ではなく
攻様の一族に忌避されている一族の者だと判明し
スッタモンダが起こっていきます。
まずは受様が成人を迎えた満月の夜に変化し
魅惑的な香りを放って攻様を誘惑して
一夜を共に過ごすのです♡
攻様は自制効かなかった自分を責めて
受様を遠ざけるのですが、
受様には避けられた=気嫌われた&傍にいられない
ってことになり、攻様から離れようとするのです。
攻様の受様愛はどんな時でも揺るぎないので
受様のグルグルにハラハラしつつ
受様が攻様の手を取るまで
とても楽しく読ませて頂きました。
受様が攻様宅の子になってからは
面と向かっての敵対者は登場しないので
読了感も良かったです (^-^)v