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pinksoda no kataomoi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『ラブバードを探して』のスピンオフになります。
夕貴(前作の受)と付き合って同棲までしてたのに、結局身を引いた形になったという、あまりにも素敵過ぎた当て馬・千葉(攻)がメインです。言うなれば、哀れな千葉救済編?
こちらの方がはっきりした年の差ものでした。
千葉のお相手は高校生の玲(受)。教師になった夕貴と同じ高校の生徒なんですよね。その後の夕貴も出てきます。
正直、千葉は(こちらでは余計に)わかりにくいというか、掴みどころのないキャラクターです。でも、決していい加減なわけではないんですね。すごく心の広い、思いやりのある人だとは思いました。
玲は、何をしても一番になれない(二番止まり)というコンプレックスを抱えているんですが、それが千葉と出逢って『一番』に大切にされることで癒されていくんですね。
この2人のゆったりした雰囲気がよかったです。
なんというか『ピンクソーダ』のイメージそのままの、とても可愛いストーリーでした。好きですね。
余談ながら、ピンクソーダ(作中で千葉は『イチシロソーダ』と言っていましたが)は、私も飲んだことあります。かき氷のいちごシロップと炭酸水が中途半端に余った時。何の捻りもなく(安っぽい)イチゴ味のソーダです。それほど美味しいものではないですけどね。
前作の攻めの同僚であり、受けの夕貴(ゆうき)とつきあっていたのに二人のために身を引いた可哀相な千葉のお話。
前作があんまり好きじゃなくて(笑)、カップルに文句をたれた感想を書いたんですが、千葉は本当にいい人で、千葉にはたっぷり同情していました。
その千葉の話ですが、お話は今回の方がずっと好きでした。
千葉と、お相手となる玲が出会い、その日のうちに同居することになってしまう冒頭はちょっと都合良過ぎな気もしましたが、意地っ張りのツンデレ高校生と、「落すのが楽しい」という千葉の生活の様子ややりとりは、優しさと可愛らしさに満ちていました。ちょっとじれったさもありましたけど。
今回も千葉はとってもいい人で、前作カップルには振り回されてしまいましたけど、今回もちょっと玲に振り回され気味ですか。でも千葉の場合、振り回されているという感じじゃなくて、何でも受け止めているという感じがします。たっぷりの包容力と深い深い懐。落ち着きすぎた大人というのではなくて、飄々としてて軽く見えるのに、いい加減なところは全然なく、どこまでも優しい。ベタ褒めですけど、本当にいい人なんだもん(笑)。
その包容力が、玲にいらぬ誤解を与えてしまったともいえるんですけど。
夕貴が千葉のことを「千葉さんは本当に不器用な人で、釣った魚に散々エサやって、大事にして大事にして、そのあげくに逃がしちゃうような人なんだ」と評していますが、確かに前作も本作もそんな人で、千葉くん、切な過ぎる。
今回、玲という、思う存分可愛がり倒せそうな恋人ができて、本当に良かったと思います。
それにしても、夕貴は千葉に迷惑かけっぱなしじゃないですか。今回も妙なこと言ってかきまわして。
前作よりも「甘い切なさ」という感じのお話でした。
千葉のことばっかり語っちゃいましたけど、玲も可愛かったです。
“ピンクソーダ”って美味しいのかなぁ。あんまり飲んでみたくないですが。