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one coin lover
なんとも笑える出だしでした。付き合っていた彼氏に別れの決定打を突きつけられた後、偶然立ち寄ったフリマででかい冷蔵庫の箱を500円で押し付けられちゃって、持って帰ったらその中から男が一人出てくる・・・
ありえねーーーっ!!(笑)
いくら箱に入ってるからって運び込む前に判るだろ、と思わず突っ込みたくなりました。最近テレビドラマなんかにもなった、アンドロイドモノ?のBLバージョンなのかな~なんて読んでたら出てきたのはれっきとした生身の男だし^^;)
で、名前も無くて素性もわからないどう見ても胡散臭そうな男と、失恋したてでやけになっている主人公の新井彬(にいあきら)は行き場の無い男に「タロウ」と名前をつけて彬の部屋で一緒に暮らし始めるんですね、しかも、やけになってるのと寂しいのとで即効躯の関係にまでなっちゃって・・・コラコラ
なーんて、ここまで書くと内容は比較的コメディ路線の話なのかな?と言う雰囲気でもあるのですが意外や意外凡そで見るとシリアスモノだったりするのがこれまたびっくりです。
出来のよい兄や姉の間で育ってコンプレックスの塊だった彬がタロウと出会い一緒に暮らすことで、切磋琢磨し互いに成長していく成長物語・・・
コンプレックスの塊と身元も名前、年齢さえ不詳の「タロウ」自分の気持ちを相手に伝えられないひっこみじあんの彬と、親の愛情に恵まれないまま育ってきたタロウはお互いない部分を補いつつうまくやっている様に見えるのですがうまく行っているように見えてかみ合わない部分がいろいろ出てきたりもする。
一緒にいる時間が長くなるだけ元の彼ではなくタロウのことが好きなんだと気づいた彬のどうみても誰が聞いても「タロウ」への告白でしかないその気持ちや言葉がタロウには全く通じてなくて、しかもヒモ同然にタロウを養っていたりする彬の様子を見て心配した元彼が「よりを戻そう」なんて言っちゃったりするとタロウはそっちの方を喜んじゃう…
このあたり感覚がなじめなくてちょっとイラッ!としたりもするのですが、だから尚更、引っ込み思案で人の顔色ばっかり伺って嫌われないように嫌われないように自分の気持ちを押さえ込んで今まで人付き合いをしてきた彬と自分に対するマイナスの感情には敏感でもプラスの感情には疎い「タロウ」がやっと本当の意味で気持ちを通わせあったときはちょっと感動的でした。
お互いの足りない部分を補い支えあって来た二人の関係はその均衡が崩れたときが恐い諸刃の剣。
だけれども、自分や相手にとって本当に何が必要なのか気づいた彼らなら、まだまだ長い人生の先々で起こるいろいろなトラブルも二人の力で乗り越えて行ってくれる事でしょう。
どうぞ、これからもお幸せに(-人-)