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kanbi na kusari
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
杏野作品初見です。
裏表紙のあらすじを読んで購入したのですが…ううううーーーーん。
どこに萌えどころを持っていっていいのかちょっと悩みました。
とにかくなんというか、ないないづくしな感じで。
極道ものなのに極道らしさがない。
攻め40代前後×受け15歳なのに挿絵が全くそう見えない。
受けが何がしたいのかよくわからない。
攻めがどうして唐突に受けに手を出したのかよくわからない。
義兄がキャラが濃い割りにポジションがよくわからない。
なんというか、全体的に説明不足?の感あり。
特に挿絵が設定どおりに見えないのは致命的な気がします。
攻めは40には見えないし、受けも15歳には見えない。うーーーーん。
萌えどころはいろいろ散りばめてあっただけに、ちょっと残念な感じがしました。
おまけの短編が、せめて攻め視点だったりとかすればよかったのに。
いつもの杏野さんよりハード目で、かなり離れた年の差ものでちょっぴり極道な話です。
年の離れた子供を大人の手管で優しく可愛がる話かと思えば、とんでもない。
猫の皮をかぶった虎と牙を隠した幼い獣とで、腹の探り合いと言った方が近いです。
この話の脇役で出てきた義兄と久保がメインのリンク作『爛れた楽園』が出ています。
今作の岩佐×清良の様子を彼ら側からみるとこうなるのかと、より理解が深まった話なので、こちらも是非。
組長の側近でボディガード・岩佐(40前後)硬派攻め×組長の妾の子・永井清良(高校生)芯が強い受け
病弱だった母がヤクザの父への恨み事を言って亡くなって、笑顔を仮面にして生きてきた。
世話になっている叔父の家に、組長の側近の岩佐が現れて、父親が会いたいと言っていると聞かせられて。
母親の復讐をする為には、側近中の側近の岩佐に怪しまれてはならない。
目利きの岩佐を騙さなくてはらないのに、岩佐が愛しくなってくる。
頼りがいもあって優しく自分に忠実な男に、生温い高校生が落ちない訳がなく、恋と復讐とで悩みます。
本心がつかめない男なので最後の短編を読むまで、何を考えているのかが正直わからなかったです。
愛があったことを発見出来たことが、囚われてしまった清良の救いだと感じました。
物腰もソフトで一見極道に見えないが、岩佐も極道の男。
最後まではいきませんが、幼くて性に不慣れな身体から絡め取ろうとする手段は、行為が優しければ優しいほど根底に鬼畜さを感じました。
この人は組長一途で、その為には手段を選ばないんだなと、優しさにゾクゾクしました。
敬語が取れて本性を見せてからの変身には、岩佐という男に痺れずにはいられなかったです。
側近なだけのことはある忠実さと酷薄さ、そんな男にもあった愛。
渋い岩佐さんがよかったです。
敬語攻めと敬語捨て去りバージョンと2パターン楽しめて、岩佐さんの本性ってそっち!と驚きながら萌えました。
イラストでは若く見えますが40前後ということなので、折角なのでもうちょっと上目な年齢で描いて欲しかったです。
甘美なひととき。
義兄×久保が二人を抗争から守る為の計画に加えて、恋の橋渡しをしています。
組長の息子である清良と関係があることは弱みであり、組長への裏切りであるということに、ようやくここで気付きました。
あの忠実な岩佐さんがそれでも関係を持ったということは、それだけの覚悟があるということで。
言葉にしていない想いが重たいです。
エロ:★3 極道なのに、無理矢理なしで甘め。ですが、敬語攻めを捨てての制裁Hが濃くて萌えました。
総合:★4 清良の復讐と愛に揺れる過程と、そして結末の意外性がよかったです。受けの年齢がもっと上だったら、より萌えたかも。