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いとうさんの書く健気受けに芽生えた最初のきっかけの本です。
伯爵レオン(鬼畜傲慢攻め)×日本人絵描き・保名(健気受け)
お金持ちで傲慢な伯爵にとっては、保名はただの東洋の黄色い子猿扱い。
パリでも絵を描く珍しい芸をする猿や、珍獣扱い。
レオンにとって保名は、いかに利用出来るかそれだけだった。
愛なんて信じない。そのはずだったのに……。
純粋で誠実な保名と関わりあう内に、嫉妬や葛藤に戸惑うレオンがよかったです。
好き勝手しておいて後悔しない攻めが多いなかで、納得もし、すっきりもする展開でした。
パーティーで大勢の聴衆の前で嘲弄された上に、レオンからも恥をかかせるなと見捨てられて、泣くかと思えば矜持を見せる。
保名の誇り高さに胸打たれました。
昔の日本人の主従、主人への絶対的な信頼に裏打ちされた誇り高さと、深い愛。
潔くて健気な性格の保名に、好感を持たずにはいられませんでした。
いくら忠誠心があったとはいえ、他の男に身を任すことは出来ない。
僕の我が儘なのかと、泣きじゃくる保名が切なくてしょうがなかったです。
愛故に傷つけられて裏切られたレオンが、保名によって溶かされていく。
非常に緩急がよくて、最後までドキドキはらはらしながら楽しむ事が出来ました。
芯の強さがある健気受けが好きな方に、お勧めです。
エロ:★4 初心な受けが攻めに教育されたり、抱かれながらの自慰や嫉妬からの無理矢理め等、健気さが光ってたまらなかったです。
総合:★5 無体なことをしてしまうだけの理由や、受けの健気さ矜持がよかったです。