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bitoku to akutoku to shiru shinshi no tame no guide book
18世紀のイギリスのボンボンが親友とヨーロッパ周遊旅行に出かけるという一風変わったお話。作者は児童文学を書かれている方だそうで、最初の手書き風の地図はまさに児童文学のような楽しい冒険の始まりを予感させるものです。
主人公モンティの語り口はユーモアに溢れ、300年前とはいえ若者の本質は変わらないな、と微笑ましかったのですが、伯爵家で名門イートン校出身の恵まれた存在と思いきや、深刻で多いに同情してしまう境遇で育ったモンティ。そんな彼が辛い境遇に耐えられたのは最愛の幼馴染みで親友のパーシーがいつも側にいてくれたから。
モンティのパーシーへの気持ちは友達以上なのですが、果たしてパーシーの方の気持ちはいかに?旅と物語は進んで行くにつれどんどんとんでもない方向へ。最後は帯の書評にもあったインディ・ジョーンズのような大冒険に。例えるならBLエンドのワクワクRPGとでも言うべきか。腐女子にとってワクワクしかありません。夏の読書にピッタリ。
2人の間には男同士という以外にも、身分の差、人種の違い、病気、など試練が山積みすぎるのですが、最後は明るい未来を想像できる後味の良さなので分厚いですがぜひ最後まで読んで頂きたいです。受け攻めはっきりはしませんがBLのときめきやキュンはしっかりと詰まってます。
続編が2冊出て完結してるみたい(和訳はまだされていない)ですが、今作の2人が中心の話ではないらしい。でも幸せそうな2人がチラッとでも出てくるなら読んでみたいなあ。
同性愛差別・毒親の虐待・人種差別・病気への偏見・女性の不平等など、現代社会にも共通する問題提議を18世紀の冒険に盛り込んで上手くまとまっているのがすごいなと思いました。腐女子の夢・パブリックスクールのイートン校が1700年代からあった事にもビックリしました(創立は1440年だそうです)。
この作品も映像化が決まってるらしい。海を超えてくる作品ってクオリティや完成度の高さを感じます。