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tenohira ni hitohira no hana
Unlimi 「てのひらにひとひらの花」の続編。
愛するその一人だけが傍に居てくれたら、何もいらないという孤独な坊ちゃんの話。
ミカの鈍感が、エルネストの嫉妬を煽る。
二人は、サクロナを離れ、イール騎士団領に移り住む。
故郷を離れて、エルネストが明るさを取り戻す。
●ミカ:
可愛くて小さい元奴隷。
奴隷商の檻の中で、衰弱して翌朝までもたない状態を、エルンストが買う。
看病してくれたエルネストをひたむきに愛している。
愛されている事に鈍感。
黄金の林檎屋というパン屋で働く。
●パルテルとアンナ:
親が見捨てたエルネストを愛して見守る使用人。
●エルネスト:黒髪美貌のサクロナ人。
サクロナ王国最大の海洋交易商、ルベール商会経営者の息子
落馬事故で脚に障害が残る、それ以降、跡取から外され、隔離される。
助けたミカの面倒をみることが、生き甲斐。
エクセン商会で、生き返ったように働く。
●レオ/レオナルド・エクセン:当て馬
イール人、海軍士官。エクセン商会の跡取り息子。
SS:サクロナ王国最大の海洋交易商の息子
エルネストに買われた後の、ミカの日常。
同著者の「竜の棲み家」と雰囲気が似ていて、助けられる不憫健気受けと美人攻めで、透明感があるような文章が綺麗で読みやすかったです。kindle unlimitedにて。
遊牧民だったミカは旅の途中家族を殺され奴隷として連れていかれる。主に酷い扱いを受ける描写は匂わす程度ですが、病気になり返品され死に間際からお話が始まるのが、辛いけどだからこそすぐに入り込めました。足が不自由で無愛想な坊ちゃんエルネストが布で隠されていた籠の中のミカを見つけ、気まぐれで購入し屋敷で看病する…
好きな展開でワクワクしました…
その後奇跡的に回復したミカが、花屋で見つけた弱った菩提樹の苗を購入し、苗と自分と重ねてエルネストの気持ちを理解するシーンが素敵でした。
またトラブルがあって謝り続けるミカに、もう謝るなとエルネストが言うので「大好きです」と泣きながら繰り返すミカが可愛い。またその後恋心を自覚すると大好きと言えなくなるのが切なくさせます。
干ばつから社会の雲行きが怪しくなり、商店街で物々交換が始まったりと、思ったよりも暗い世界になりましたが、大切なものはお互いなのだと伝え合うドラマティックさはカタルシスがあったし、その後の新しい生活は読んでいてワクワクさせられました。
一人一人のキャラクターも皆良い人なだけでなくバックボーンが感じられて(番外編の花屋の店主が良かったー)、朝や海、眠る前など時間や場所の空間表現が伝わる文章でした。ミカとエルネストお互いが出会いで生き方が変わるという筋も好き。料理つくる受けに女性互換感があって最近辟易したりしたのですが、ミカの植物に対する好奇心やエルネストへのお茶のシーンはとても思いやりと民族の血が流れてる感じが素敵でした。
けれど何となく深みがないというか、安易な感じはないのに強く惹きつけられる(若しくは抉られる)ものは無かったかもしれません。
またミカが奴隷として過酷な生活をしたと分かっているエルネストが、どんな理由であれミカを傷つける展開は嫌でした。強引な展開を無くしてエロがほぼ無くなったとしても、そして理由が分からなくないような事もなかったとしても、ミカにはどれだけ優しく甘やかしても足らないです。
最後の感じすぎる甘々と番外編の甘々は良かったです…
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