お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
cinderella gate
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
不幸のどん底生活から、世界的ヘアデザイナーの西院士貴に拾われてモデルになった王子春日は、士貴の恋人になった。
その士貴がミラノに新しい店をオープンすることになり、春日はそのオープニングのショーにモデルとして出演することになった。
更に、士貴の師匠であるシュテファンの引退記念のショーにも出演することが決定し、緊張はあるものの公私共に充実した日々を送っていた。
そんなある日、春日の前にかつて士貴と同僚だったという男が現れる。
シュテファンのところで同じように修行をしていたというジョルジュに対して、士貴は単純に再会を喜んでいたが、春日は何やらそれだけではないものをジョルジュに感じる。
どうやら、ジョルジュと士貴の間には何かの行き違いがあるようなのだった。
ある日、春日が士貴が仕事をしている間に一人で市場へ行こうと思い、ホテルを出ると、そこにはジョルジュがいて……
そんな話でした。
どうしても世の中には、価値観の違いだとかいろいろなことで会話の成立しない人がいて。
その人が自分の思い込みだけで暴走してしまう人だったらもう、大変! って感じですよね。
ジョルジュはその傾向のかなり強い人でした。
自分の妄想で春日の像を勝手に作り上げて、現実の春日の話を、声を一切聞こうとしない。きいても、自分のいいようにねじ曲げて頭の中に入れる。
できれば、側にはいて欲しくないタイプです。
そんなジョルジュは最後にはとんでもないことをやらかすんですが。
個人的には、それが原因で春日がとんでもない傷を負ってしまう、そしてショーに出られなくなってしまう……というような展開を想像していたわけですが、春日はちゃんと酷いけがをしませんでした。
よかった、と思うと同時に、どこまでも春日に甘いなー、この話はと、思ってしまいました。
でも、どうせ春日のシンデレラストーリーなんだから、最後まで徹底的に甘やかしてもいいかもしれません。だって、書かれていないけれど、春日のそれまでは、それでもあまりあるほど、“不幸”と言ってもおかしくないものだったので。