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transverse
これ好きでした〜‼︎
何より私好みのストロングスタイル、つまりここにあるのは「愛」だけというスタイル。
2人が出会い、恋し、愛が育ち、しかし一度は別れまた再び強く結ばれる。
そこには「誰か」も「何か」ももはや障壁ではなく、2人それぞれの行動と意志があるだけ。2人で苦しみ、2人で解決する愛の問題。
主人公は大企業グループの御曹司、α家系の中でより優秀なαの後継者として育てられ、その期待通りに生きている時臣。
ある日、バーの地下室で襲われているΩを助ける。それが大和との出会い。
だから「身分違いの恋」の側面もある。
Ωとαだから惹かれるという部分が確かにありながらも、2人はバース性を越えたつながりを大切にしたくて、でも難しくて。
というのは、大和はゲイのバリタチ。
だからαと恋愛しても子を産む側にはならない。
時臣は家も何もかも捨てる、と言うけれど。
大和ってカッコいいんですよね。身を引くんじゃなくて、自分の夢を追うんだと言って時臣と別れる。
生きるのに不利なΩであっても枕営業を絶対せずに俳優として認められていく大和。
大和に恥じない自分でいたいと邁進する時臣。
2人が共に誰からも文句がつけられないほど地位を確立して、遂に再び愛し合える時…!
お互いの愛の大きさ、そして努力で再び掴み取る幸せな時間。
超〜〜ドキドキしながら読みました。
一点、生まれはΩで性自認がβというトランスの部分がそれほど強調されてなかったと感じました。でも「神」で!
主人公のふたりが互いに対等でいたいと願う気持ちが良く解る。
オメガバースでトランスを書くというのも『自分らしく生きる』ことを書きたいんだな、というのが伝わる。
どちらかが勝手に自分の気持ちを押し付けるのではなく、話し合うところは話し合い、互いを信じあっているのが素敵。
そして、何と言ってもこのふたりはカッコいい。
何から何まで私好みのお話なんですけれどもね……って言うか『その所為で』なのかな?最後の最後まで「良いお話だな~」と、心が落ち着いたままだったんです。
萌えってある程度の不安定さを潜り抜けて感じるものなのかもしれません。
しかしながら、この作者さまには激しい好感を抱きました。
未読の『ギフテッド~』を読んでみたいと思いました。