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寮制の学園、ミステリーでサスペンス…というドキドキ感がある作品。
主人公の静馬は霊感があるせいで昔から家で病人扱いを受け、自分でも霊感を否定し「自分は病気」だと思い込んでいます。
けれど学校で8年前の白骨死体を発見してしまい、未解決の殺人事件に巻き込まれてく…という、超能力モノであり、推理モノでもある作品。
同じクラスの武志は静馬を理解して助けてくれる存在です。
幽霊といってもそんなに怖い作品ではないのでホラーじみたものが苦手なかたでも大丈夫だと思います。
むしろ作者さんのあとがきの心霊体験のほうが怖かった…。
肝心の殺人事件ですが、ミステリーといってもラノベの領域なのですが、犯人も最後にどんでん返しがあったりでなかなか工夫されていました。
面白かったのは静馬と武志の関係。
武志は一年のころから静馬が好きで、静馬につきっきりで静馬がすべき事を示してあげます。
周りから見れば大人しい静馬が俺様な武志に逆らえないでいるような…けど静馬は家では嫌われて生きてきて、自分の意思を殺してきたせいで、人に何か示されないと何もできない、何をしたらいいかわからない。
近づくなといわれたら近づかないし、何もなければずっと勉強しかすることがないし、何を言っても逆らわない。
この辺の静馬の頭の中の葛藤や、静馬変わっていく様がやや唐突だったりでわかりにくい箇所もありました。
でも最後に武志への思いをはっきり自分の意思で示すシーンはよかったです。
恋愛ドラマだけでなく、事件性のあるお話で、でもシリアスすぎず素直に楽しめます。
ちょっとサイキックな場面もあるけど、きゅんとくる学園ものが読みたい時におすすめです。