夜を閉じ込めた館

yoru wo tojikometa yakata

夜を閉じ込めた館
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×218
  • 萌34
  • 中立7
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
20
得点
221
評価数
67
平均
3.4 / 5
神率
11.9%
著者
夜光花 

作家さんの新作発表
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イラスト
小山宗祐 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784812430088

あらすじ

立体アーティスト、岸田智洋は、パーティーで知り合った椿という男から別荘のドールハウスを造って欲しいと依頼される。
田舎の山中に建っている別荘は、車かヘリでしか通う事ができず、智洋はドールハウスが完成するまで別荘に住み込む事を余儀なくされる。
そこへ毎日のように都心から椿がヘリで通ってきて、智洋を口説くようになった。
拒絶するが、一人では山を下りられない智洋は、いつの間にか別荘に閉じ込められているような状況に愕然として…。
誰も来ない山奥で起こる拘束愛と、妖しい互いの関係が招く究極のサスペンスストーリー。

表題作夜を閉じ込めた館

椿一史,実業家
岸田智洋,25歳,ドールハウス職人

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数20

サスペンスとして楽しかった

BLよりもサスペンスとして面白かったです。
外界から閉ざされた雪山の洋館で殺人事件が発生するというド王道な展開。
第一の死体が発見されてからのハラハラドキドキ感がすごく楽しかったです。

ミステリーとしての斬新さはありませんが、それでも緊迫した状況は楽しめました。
謎解きに期待するとややガッカリするかもしれません。

BL要素もガッツリありました。
エロシーンがそれなりにあって、まあ基本は無理矢理ですが、そう言った要素も緊迫感の一部として良かったのかなと思います。

メインキャラの二人を最後まで好きになれず、残念。
受けはシンプルに可哀想で、好みではありませんが、萌えられる要素もちょいちょいありました。
キャラごと好きになれたら神評価だったかなと思います。

0

耽美なサスペンス

面白かった。
男性絵師、小山宗祐さんの挿絵がムーディ。

最初に貼られた伏線が分かりやすいので、中盤くらいで、段々と結末が分かってしまう。
だからそんなに不気味でもないし、怖くもない。

ドールハウスを軸にして展開するサスペンス。
智洋の父は庭師。椿家の屋敷に親子で住み込みで働いていた。
英国製の高価な白い館のドールハウスを失語症の智洋にくれた椿家の当主。

椿家の美貌の妻を溺愛する当主。
病弱な母と離れて暮らしていた息子の一史。
約束を守る為に自分の世界に引き込んだ智洋は、白い館の友人がいる場所に閉じこもる。
家政婦のイトは、主から託されていたことがあった。

約束を守ってずっと秘密にして忘却。館を訪れ記憶を思い出し、一史に全部話した智洋には、もうドールハウスの世界は不要になる。

一巻完結の、耽美なサスペンスドラマだった。
昔の作品だけど、面白かった。

0

BL版「レベッカ」

すっごく面白かった〜!
…というのは元々ミステリ好きである私個人の意見です。
2時間ドラマばりに、雪に閉ざされた密室のような洋館で相次いで殺人事件が!というお話ですので、ミステリはあんまり…という方には向かないかもしれません。
私の第一印象は、これは「レベッカ」(デュ・モーリア作)だな…と。
メロドラマとスリラーの融合、かすかに耽美の風味。
特に私がゾクッときたのは、主人公の智洋が山奥の洋館に招かれ、一目館を見た時「この邸を知っている」と戦慄する場面です。
人嫌いで引きこもり気味のドールハウス製作者の、どこか謎のある過去。
ある意図を持って近づいてきた資産家の男性。
その男性の母親の死に関する疑惑。
取り壊しの決まっている邸そのものの滅びの気配。
ミステリ仕立てなので詳しく書けませんが、事件の真相と二転三転する疑いの矛先の緊迫度はかなりスリリング。また、智洋が頼りにしている外国人男性の正体など、智洋が「ドールハウス作家」である必然性に膝を打つ思いでした。
これ、エロ成分全部ナシでも推理物として実写化できそう。イトさんに夏○マリさんとかどう?

3

もうちょっとでクリスティになれたかも……

電子書籍で読了。挿絵有り。

ミステリなのでネタバレしないように書こうと頑張りますが、意に反してヒントを与えてしまうかもしれません。謎解きをなさりたい方はご覧にならないほうがよろしいかも、です。





シチュエーションから「クリスティのオマージュ?」と思いつつ読みました(謎解きがメチャメチャ難しくないという点も何となくかのミステリの女王を彷彿とさせたんじゃないかと)。もう少し登場人物の書き込みがされていて、全てが終わった後にやるせない悲しみが立ち上れば、もう完全にそんな感じだったんじゃないかと思うのですが。すごく惜しい!
夜光さんもあとがきで「ページ数をかなりオーバーして、無駄な部分を省いた」という意味のことを書いていましたので、その関係かもしれません。
個人的にはセクシャルな部分を減らしても、そっちを書いて欲しかったなー、と思う次第であります。

1

一度は体験してみたい!? 洋館に閉じ込められるシチュエーション

読みながら何度か脳内に名探偵○ナンだのなんとかサスペンスのBGMが鳴り響いてきたサスペンス風BL。訳ありの館に関係者が集められ、逃げ出す事ができない状況にされ、さて? という実に古典的なシチュエーションですね。

とは言え、殺人トリックの謎を解いていく……とかは特にありません。過去の謎を紐解きながら、切羽詰まった状況で正気を失っていく人々の様子と、その中で求めあっていく主人公カップルの様子が割と淡々と描かれる感じです。(エロシーンは別に淡々とはしてませんけど…)

最後に明かされる主人公の心閉ざしっぷりを象徴する仕掛けも好きでした。全体としては少々強引な展開や幕引きのあっけなさなどはありますが、なかなか楽しめました。

1

ミステリーですが難しくはない

前半ホラーじみたサスペンスのようですが、後半はがっつりミステリーの作品。
不可思議なことや、答のわからない謎などたくさん投げかけられますが、最後にはすっきり片付くのは見事でした。
もう一押し踏み込んでのオチまで考えられているのがさすがだと思います。

山奥の館、閉ざされてしまった帰り道、過去の未解決事件に次々とおこる殺人事件・・・。まさにベタベタなのですが、ミステリー好きには心躍る?ような展開かも知れません。
(ミステリーのため、ネタバレを知ると楽しめないかもしれませんので、以下のネタバレはご注意下さい。)

主人公は見た目が人形のように綺麗なドールハウス職人で、椿という実業家にお屋敷のドールハウスを作ってほしいと依頼されしばらくそのお屋敷に滞在します。
その屋敷には他にも招待客がいて、まさにミステリーのお膳立てが全部されているような状態。設定は少々複雑かもしれませんが、難しいということもないので楽しんで読めます。
受けと攻めが互いに互いを犯人でないかと疑う展開は面白かった。

しかし、カップリングとしては急にくっついたというか、身体の関係が先で、そもそも冒頭から椿がだいぶ軽くをナンパ?しているので、互いにこの人に恋をした、という説得力はもう少しあってもよかったと思います。ミステリー部分がしっかりしている分、恋愛の心理描写は少々軽めに感じました。
えろシーンはなかなか濃いです。
主人公がストイックなタイプなために、ギャップがあってそこは萌えられました。

2

火サスBL

火サスのテーマが聴こえてきそうな作品でした。エロなシーンは、さすが夜光花さん、しっかりエロいのですが…あんまりBLを読んだ印象がない(笑) それほどに事件そのものの緊迫感がすごくて、ハラハラドキドキしながら読みました。謎解きを楽しむのではなく、ちょっぴりダークな雰囲気を楽しむ作品だと思います。

夜光花さんの作品の特徴だと私は思っていますが、今作も攻(not 主人公)に秘密があると見せかけて実は受(主人公)に秘密があります。それが解き明かされる展開が面白かったです。最後のオチも私は大好きでした。

1

BL愛よりもサスペンス色の強い一冊

取り壊し予定の洋館のドールハウスの制作依頼を受けた智洋。
実はその依頼の元となる館は智洋が10歳の頃に一時暮らしていたものの、過去の記憶がおぼろげなまま洋館へ招待される。

曰くありげな出だしで、洋館という舞台と引っ込み思案な智洋がどう結びついているかって掴みが上手く書かれていた。
そこから、どんな男なのか掴めない依頼主の椿に、智洋がどう惹かれていくのかが興味深かったが、話の内容を追うのに精一杯だったかな。
そもそも椿の母親が亡くなった詳細が解らないから、当時の真相を探ろうと彼によって集められた数人の正体客の心情を軸にして話は進行していくのだ。

BL愛よりもサスペンス色が色濃く出ている一冊だったが、読み進める程に智洋がポツリポツリと思いだしていく真相の欠片と、周りの反応に辻褄が合っていく様子が見事だとなと思った。

椿と智洋のラブシーンも健在だけど、二人にとっては過去の事件が行動の軸になっているって印象が強いからなぁ。
このカップルには、ぜひとも喪失感を克服して堅実に頑張って欲しい、かも…。

0

最後好きでした

またもやすっかり夜光花さんに騙されました(いい意味で)。
サスペンスもののBLです。
殺人方法に「こういう仕掛けがあったのかー」とかはあまりないので、
サスペンスのそういうものを期待して読むと、ちょっと違うかも。
いやはやしかし、自白させるのにそういう攻めって…。
BLだからなぁ〜、そうなるかーそうだよなー。
ちょっとそこが多くてだれてしまった。
後、私はどうしても獣姦とか物とかという人間以外のものをというのが生理的に駄目なので、
最後の自白?という所はちょっと気持ち悪さを感じました。
なのでそこでちょっと面白さよりも気持ち悪さの比重が増すというか。
勿論、作品が嫌いになるという訳ではないです。

最後の最後は思ってもみなかった事だったので、好きでした。
もう会いに来るなって、それほどの事〜?なんて悠長に思ってたので、
泣きそうにってまではないけれど、好きでした。

今回そこまで面白い!っというのはなかったんですが、
夜光花さんはやっぱり好きだなーと思います。
読み慣れたせいもあるかもしれないけど、
なんか読み易いです。

1

舞台がたいへん好みなテイストでした

ドールハウス職人と言う職業設定に面白味がありストーリーに活かされていると思います。
テイストは「そして誰もいなくなった」と「レベッカ」を混ぜた感じで個人的にたいへん好みでした。

ただ、展開と語りに途中で飽きてしまって、飛ばして読んだり戻って読んだりしてしまいました。
ひとつひとつの事柄や事件は面白いのに流れが退屈になってしまう部分があったように感じました。

CPについては、もう少し椿が智洋を想っている気持ちとか表現されているともっと萌えたのになぁという気がします。
智洋が人が苦手で性にもあまり関心がないその原因やその明かされ方は秀逸でした。

2

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