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設定としてはかなり好きな感じでした。
普段は傲慢で不遜な人物なのに、受けの前ではなんだか妙に優しい俺さまな攻めとか、どう頑張っても勝ち目は無いくせに悪あがきばかりしてる強気な受けとか。
和泉さんの書く話ってあまりなよっとした風な受けではなくてどちらかと言うと負けん気が強い強気受けが多いような気がするのですが違いますか?
ぱっと見、月笙に冷たく接して突き放しているように見えてでも本当に必要なときは傍にいてくれるアレクシス。しかし、知りたいとは思っていなかった自分の中の闇を見せ付けられて眠っていた魔性を目覚めさせた相手でもあるわけだから月笙はアレクシスの事を中々受け入れられないわけです。
負けまいと思いながら半分目覚めてしまった月笙にはアレクシスの精気は甘美な媚薬なわけで、しかも誓約によって結び付けられているから抗いたくても抗いきれないのですね。
そこにまた今度はユベールと言う名のフランス人(?)らしき男が登場します、かれこそは正真正銘の吸血鬼。半分人間である月笙のことを仲間にしたいと狙っているわけですね。
次第に魔の力が強くなってきて、今まで聞こえなかったものが聞こえたりと身体に変化が現れる、それに伴ってアレクシスの精気を欲するようになっていく……
じわりじわりとアレクシスの存在に侵食されていく月笙は、見えない力に絡め取られていく事を嫌悪し抗いつつも気付くと既に逃げられなくなっているのですね……こういうの好きよ(^m^)
でもね、なんかねぇちょっとね後半が妙に中途半端な終わり方というか物足りなかったです。
実はアレクシスにも重大な秘密が隠されていて物語が進むに連れて少しずつそれについても判ってきたりユベールが月笙に拘る本当の理由なんかもわかってくるのですが、この辺りであれれ?って感じになってしまったのですよね。
作者様は結局のところ誰のナニを書きたかったの?と言う感じです。(しかし、ナニってカタカナで書くと急にいやらしく見えるのは私の目が腐ってるからでしょうか?……そうですね、きっとそうに違いないです)
あれ?月笙の過去は結局のところどうなっちゃったの?ユベールは……ん??そもそもユベールって何のために出てきたの必要あったの???
別に要らなかったんじゃないなんて私は思ってしまったわけです。
2段組で書かれていて文章量が覆い割りに余り必要に無いところで時間割いちゃったんじゃないの?って感じでした。
でもね、アレクシスも月笙老い先は長いわけですから、この先一緒に生きていく人を見つけられた事は、彼らにしてみたらそれはそれで非常に幸せなことだったのかもしれないです。
誰とも相容れず、一人孤独に生きていく事は、それだけでかなりの気力を要しますから……。