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muku na hamayome
男でありながら生まれた時から「花嫁になる為」に多くの使用人やばあやに世俗事とは切り離された世界で大事に大事に育てられた紫乃〔受〕
そんな紫乃は生きるお人形の様で、ひたすら「花嫁になる事」だけが彼の与えられた人生なんですな。
しかし紫乃をそういう風に育て、結婚する筈だった男は死んでしまい、紫乃は親戚筋の慎一朗〔攻〕に押し付けられる形で成人まで面倒をみてもらう事となります。
テレビも世俗も知らず、自分の性別が男である事さえ知らずひたすら無垢に、夫となるべき方の花嫁になる事だけしか知らない紫乃。
当初はやっかい者を引き受けたと考えている慎一朗ですが、あまりの紫乃の素直さに次第に癒され、可愛く思う様になります。
可愛くてふんわり甘いラブストーリーでした。
佐々さんの挿絵、特に紫乃が実に内容のイメージに合ってて良かったです。
いくら『BLファンタジー』といえど、あまりにも浮世離れした設定ですので、ダメな人は徹底的にダメ(というか読まずにスルー)なんだろうな、と感じました。
そういう私自身も『花嫁』が特別好きなわけでもないんですが、意外と面白かったことに逆に驚きました。
『苦手な設定だから』最初から避けずに読んでみたら、いろいろと発見もあるのかも?と思いましたよ。
紫乃(受)の名前からも連想できますが、これは『紫の上』なんですね。生まれてから16年、『花嫁』になるためだけに女の子として育てられ、自分が男であることも知らない紫乃。夫となるはずだった男が死んでしまったために、紫乃は慎一朗(攻)に押しつけられるんです。
『花嫁』になる未来しか与えられていなかった紫乃が、まさしくすべてを否定されてしまい、それでも現実(自分の性別も含めて)を受け入れようと努力する姿が健気でしたね~。
いくら慎一朗がひねくれてても、こんな『無垢』な可愛い子がそばにいたら、そりゃあ絆されるよな~、と。
もうホントに表紙(佐々さんのイラスト)のイメージそのままのストーリーでした。