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dead line
ちるちるのBLニュース『図書館で読めるBLっぽい文学』で紹介されていて、匂い系大好きな私は飛びつきました。
この本は匂い系というより、ゲイ文学でした。
大学准教授で哲学の本等を書かれている千葉雅也氏のデビュー小説です。
大学院生で修士論文に取り組んでいる"僕"が、友人達や家族、指導教員、ゲイタウンやハッテン場で出会った行きずりの男たちとの関わりを淡々と綴った物語でした。
僕が哲学を学んでいるので哲学者の名前が結構出てきます。
講義の場面では哲学的な議論が交わされていて、ちょっと置いてけぼりな気分になったりします。
一見無関係そうな"哲学"と"ゲイ"ですが、本文中に
「同性愛を生きる不安から、現代思想は助けになってくれた」
とあり、ほぉ〜と感心というか目から鱗というか、そういう考え方もあるのだなぁ、と。
あとゲイバーでのやり取り、ハッテン場での動きがリアルで、実際にこうなのかなぁと興味が湧いてしまいました。
特に、ロッカーの鍵を左右手足、どこにつけるかでタチ専・ウケ専・リバを示すという文章。
なるほど〜と感心しちゃいました笑
ちなみに"僕"は「ウケ寄りリバ」らしい。
萌えの点ではあまり無いのですが、昔からの友人(ノンケ)と行くドライブ。
全く色っぽくはないのですが、ブロマンス的な香りを感じました。
あと、ハッテン場で出会った"職人"ね。あの人とステディな関係になれば良かったのになぁ、なんて勝手に残念がってしまいました。
起承転結がしっかりとある物語ではないので「それで?」っていう印象もありますが、ここに居る姐さん方には所々刺さる箇所もあると思われます。