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yoru no kodoku wo kainarase
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
とうとうシリーズ最終話。
このシリーズの主人公カップル、菜央と室生のお話。
1作目の時は出会ってから付き合う迄、
幸せにはなれない、させてあげられないという障害があり、
そこで葛藤する2人が読んでてドラマでありましたが、
今回は恋人として一緒にいて、
実際に危険な目にあったりして、色々な現実を味わされた事により心に積もった不安やすれ違いに苦しむ2人のお話であります。
室生は決して菜央の過去を探るような事はしない。
今の菜央がいれば充分と接してくれても、
それを優しさと受け取りながら、でも自分の過去に負い目を感じている菜央は、
前回暮林に言われた「俺とお前は同類」という言葉でその負い目や、室生の傍にいられなくなるんじゃないかという不安が大きくなってきてしまい、押しつぶされそうになっています。
そんな所に昔自分が育った施設で一緒だった詠弥が出てきたり、室生の元妻が子連れで室生の家に転がり込んできたり。
室生は室生で菜央に執着はしないと覚悟していたのに、
実際には前作で菜央が拉致された時に動揺してしまった自分がいたり、
今回詠弥に「菜央を返して欲しい」と言われた時に逆上しそうになる自分がいたりと、
室生は室生で菜央を離したくない気持ちが大きくて、だからこそ逆に菜央にそれが言えない。
お互いにすれ違っちゃって、
まぁ結局は最後落ち着く所に落ち着く訳ですが…
今回、お互いの過去が出てきて、お互いの心の中を省みる所がお話の軸、
でもその部分が、うーん、私としてはちょっと中途半端だったかなーと思いました。
このシリーズの軸のカップルだし、このカップルがやはり一番好きだし、なんといっても今回が最後なので、
大団円は全然望まないんですが、もう少し丁寧に読みたかった。
なんとなく全体的にぼわっとしてて解りづらかったです。
読み終えてから、実際に最初はどんな感じだったんだっけ?と「やさしく殺して、僕の心を」の最後を読み返してみると、菜央は1人で生きていくのが怖くなったって室生に言ってたんですね。
なんとなくは覚えてましたが、菜央の覚悟ばっかり覚えてて、この言葉忘れてました。
菜央〜、室生と幸せになってくれ!
やっぱりシリーズものはいいですね。
前回も書きましたが、一つのカップルを主人公に書かれるシリーズもいいですが、
今回みたいに一つのカップルだけを追うんじゃなくてっていうシリーズ、いいなって思いました。
やっぱり外側から見るからこそ解る部分もいっぱいあるし。
そうすると3組それぞれが面白くなってきて。
このシリーズ、面白いとは思うんですけど、全体的にもうちょっと丁寧に読みたかったかなー。
なんとなく中途半端感は否めなかった。
勿論、作家さんと自分の好みの相性もあると思います!
でもなんだかんだ言って、やっぱり全登場人物共に好きでした!
またどこかで読めたらなーと思いました。
1作目と同じ、室生(攻)と菜央(受)のCPですね。私は、やっぱりシリーズ中この2人が一番好きです。
今回、室生の元妻・夏美とその息子が出てきます。室生は、わけあってこの2人を菜央と暮らしているマンションに同居させるんですが、細かいことを気にしてないにしても(それ自体問題だと思いますけどね)、あまりにも無神経でハラ立ちました。まして、元妻に対して菜央を紹介するのに、言うに事欠いて『愛人』って!
たとえ菜央が平気だとしても私が平気じゃない!と熱くなってしまいましたよ。
さらに、響が背中に刺青を入れることになり、それを担当する彫師・鵺が、菜央と過去に因縁があったんですね。
う~ん、これはお互いの『当て馬』ってことになるのかなあ。いや、キャラクターとしてはそれ以外の何物でもないのかもしれませんが、それにしては半端な気がしましたね。まあ『引っかき回す』役回りではありましたが。
まあ、鵺は恋愛感情ではない?(少なくとも自覚はしていない状態)でしたが、夏美はいかにも姑息でずるい女そのものでしたね。
しかし、確かにハッピーエンドには違いないんですが、なんとなくスッキリしないラストでした。まあ室生のキャラクターが、最初から『何よりもまず組(響)』ですから、仕方ないんですが。
でも、シリーズトータルではそれなりに好きです。
またまた奈央&室生カップル。
今回は奈央くんの過去に関わる詠弥と、室生の元妻夏美さん龍哉親子。
こんなんが出てきちゃ、奈央くんの胃も痛くなるってもんです。
もちろん、それだけで痛くなってるわけではないですよ。
前回奈央くんを拉致った暮林の言葉がひっかかっているのです。
今回は色んな人が出張って来たおかげで、奈央くんちょっと卑屈気味。
でも仕方ないかなぁ、みんなお互いを思いやっての事だから。
どうにもムカついたのが室生の態度。
元妻に優しすぎです。自分と奈央くんの住まいに親子を泊めちゃう。
なんで自分を頼ってきたか大体はわかっているけど、はっきりさせない。
アカンですよ、この状態。
しかも奈央くんを紹介するのに「愛人」だもんね。
せめて「恋人、パートナー、大事な人」のどれかににすりゃ良かったのに。
そんなこんなで困惑気味の奈央くんにもっと困惑する事態発生。
響の背中に双龍を刻む彫師だった鵺が、奈央くんの過去にかかわる詠弥だったもんで。
なんとなんと、室生に正面から向かっていきます。
でも、過ぎた昔は取り戻せないし…。
なんて思ってるうちに事件発生。
二人の気持ちがズレにズレます。ズレまくりです。
「おまえらは、やくざって事実に甘えすぎなんだよ」
優先性の言葉がぐっさりと刺さった事でしょう。
大人になると、上手い事言葉に出来なくなっちゃうんですかねぇ。
夏美さんの本心もわかったし、でも二人の間にはもう絆が出来てるし。
ちょっとズルイ引き際をみせて夏美さん退場。
室生らしいやりかたで上手くまとまりました。
ラストの言葉がめぐりめぐって、大団円です。
金センセのイラストは、ちょっち不満が残りました。
あえて描かなかったのかもしれませんが、奈央くんにつけられた顔の傷、一回見たかったです。
わがままを言えば、響の背中の双龍も拝みたかったなぁ。
さぞや美しい龍たちが背中で凄んでいたことでしょう。
うーん、残念!