きみのなかにすべてある

kimi no naka ni subete aru

きみのなかにすべてある
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
12
評価数
3
平均
4 / 5
神率
0%
著者
淡路水 

作家さんの新作発表
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イラスト
hato 
媒体
小説
サークル
TANSUI BOOKS<サークル>
ジャンル
オリジナル
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

都内で電器店を営むミネは、雪のある日に路地に倒れていた一人の青年を助けた。暴行の跡のある彼は意識を取り戻したが、記憶を失っている。放っておけずミネは自宅に引き取り、リンと名付けた彼と愛を育んでいった。順調と思えた矢先、リンは事故に遭い記憶を取り戻す。記憶が戻った彼はもうミネのことは覚えていなかった……。

表題作きみのなかにすべてある

電気屋を営む三代目
記憶を失った身元不明の青年

レビュー投稿数1

最後は幸せに…

リンが可愛いくて癒されました。あ、記憶がない時の、ね笑

『兄と弟〜荊の愛執〜』のスピンオフ作品です。137ページとそんなに長くないので、サクッと萌えを補給できるかと思いますが、わたしには内容がまとまり過ぎていて(つまり展開が早い)もっとじっくり読みたかったかな。同人作品なのでそういうものだと承知してはいますけど…。

お正月が明けて二週目の日曜日。仕事から車での帰宅途中、道端に倒れていた年齢性別不詳の人を保護したミネが、その子に好意を抱いてしまうお話です。

年が明けてまだ動き出しはじめたばかりの街の冷たい空気。寒い路上で意識を失った人を見つけた時の不穏さ…。町のお医者さんや警察官との掛け合いなどから主人公のキャラクターがしっかりと伝わってきます。リアリティを帯びた描写とともに、セリフによってキャラクターを鮮やかに浮かびあがらせてくる描写が、読んでいてとても心地よかったです。

ミネの性的指向は謎でしたが、素直で純粋で健気なリンに惹かれてもおかしくないと思えました。そう、リンは仔猫ちゃんになぞらえて描かれているので、リン可愛いのひとことに尽きるのです。ミネの親友・赫がまるで大型犬で、怯える仔猫みたいなリンとの「はじめまして」シーンが目に浮かぶようでした。そんな拾われてきた仔猫のようなリンを構ってくれるミネの家族達は、姦しくも温かくて…。

リンが記憶を取り戻した後の辛い別れは切ないけれど、リンはやっぱりリンでした。健気な子が安心して過ごせる居場所は、その子のことを心から思ってくれている人達のところが絶対にいいよね?最後は二人とも本当によかったなぁと、(特にリンを重点的に)見守っていたわたしも幸福感に包まれました。幸せのお裾分けをありがとう…

本編に加えて個人的に推したいポイントが他にもありまして、それはhatoさんのイラストなのです。淡路先生の『きみの庭 追憶の青』の表紙絵もご担当されていて、当時レビューに言及するのを忘れてしまったけれど、その幻想的な香りがする独特な美しさに目を奪われて以来チェックするようになりました。

動いている被写体の一瞬を切りとったかのような躍動感のある構図、透明感があるのに質感まで感じる印影の濃い色彩、人物の透けるように白い肌や瞳の輝き……ほぅぅぅ…(うっとりため息)

『きみのなかにすべてある』の表紙イラストも、リンのマフラーが印象的。作中の大事なアイテムです。BL作品でたくさんhatoさんのイラストを見てみたいですね。淡路先生の作品でご担当されているイラストレーターさんの作品はどれも素敵だなぁと思います。

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