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むなしく卑屈な日常を壊す勇気もなかった男が、道端の占い師の言葉を契機に、家庭も仕事も放り出して、自分探しを始める。
かつての自分の選択と逆の選択をすることで、運命が変わり始め、男はどんどん魅力的に変わり始める……
というような話。
まぁ、これも結局のところは「ありえない」感じの話なんですが。
なんというか、ファンタジーにぶっ飛びすぎてる訳じゃなくて、もうちょっと深いです。
人はどうして不満を感じながらも現状を変えられないのか……?
変えたらどうなるのか? って辺りのことが、書いてあって、未成年が読むより、成人した人が読む方が面白いんじゃないかなー……?
とは言え、やっぱりファンタジー過ぎるので「そんなにうまくいくか!」といういらっと感はあるかもしれません(苦笑)
話の本筋としては、家庭も仕事も放り出してジムに通い始めた灰原が、同じジムに来ていた御曹司に見初められて、その御曹司の勤める会社にきてほしい、と言われるという、仕事もプライベートも纏めてうまくいっちゃいました! 的な……。
でも、全てを放り投げた後に灰原はまったく努力をしなくなったわけじゃないので、決してたなぼた的な感じではなかったので、そこまで好感度は低くないですが。
どちらかというと、ある程度、社会に揉まれた人が失笑しながら読むコメディ?小説って感じでしょうか?
三十路のオッサンが妻子を捨て会社をやめて自分探しをする話です。
再就職した先の若社長さんと結ばれる。
三十路でリセットして再スタートさせた人生は順風満帆です。仕事も恋もトントン拍子に上手くいく。
まあ、そんな上手くいくわけねぇぞ、などと思ったりもしましたが。
ストーリー的に私の地雷かも…と思いながら読み進めていったのですが(妻子を捨てる男って、基本的には好かんので…)、想像してたよりは面白かったです。
妻を悪役にしたのはちょっと残念だったけど。あと、子供の影がうすいのも。
離婚経験のある私が言うのもナンですが、やっぱ婚姻関係というのは大きなものだと思うのですよ。あと結婚生活の破綻は両者に責任がある。どうせならそのあたりまで描いて欲しかったなァとも思いました。
ぐるぐると色んなことを考えてるモノローグは非常に面白かったです。
リアルなようで非リアル。
実はこういう話って、おとぎ話よりもおとぎ話かもしれないな。
そう考えると、このタイトルは秀逸ですね。