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心臓移植を受けた奏は、その移植手術を受けた直後から、相次ぐ事件に見舞われる。そして、その度に不思議な力を見せて奏を守ってくれたアイザックと、そして彼の仲間だというジュード。
奏は、自分の命を狙っているはずのケヴァンから聞かされた一言に、移植コーディネーターだという彼らの正体に不審を抱き始める。そんな時、移植手術の際に自分を担当していたコーディネーター・ヘルマンの死を知り、動揺する。
騎士のように奏を見守ってくれているアイザックだが、時折見せるアイザックらしからぬ理由のわからない激情に奏の疑問は募る一方。
そんな折、奏の夢へ、金髪に青い瞳をした不思議な少年が現れた。
その少年は自らのことを「アドルフ」と名乗り、奏に握手を求めてきた。
目覚めた奏はアイザックにそのことを告げ、心臓の持ち主は「アドルフか?」と尋ねるも、アイザックはまた、らしくもない激高を見せ、否定した。
そんな中、奏の通う中学校は卒業式を迎える。一足先に卒業していく元クラスメイトの内海たちを見送ろうと奏は在校生代表として、式に出席していた。その後、クラスメイトから呼び出しを受け、教室へ向かった奏だったが、家に帰ろうとして教室から出れなくなっていることに気付く。
元クラスメイトの内海、山瀬とともにその空間を彷徨う奏。おまけに、何やら不思議な生き物たちが奏に襲いかかる。奏は首から下がるお守りに、アイザックに救いを求めるが、彼はちっとも助けにきてくれない。ついに絶体絶命のピンチに陥った奏の前に現れたのは、奏の命を狙っているはずの神楽崎。彼は、「関係のない人間を巻き込まないためだ」と言いながら、奏を襲う敵に戦いを挑んだ。
結局、兄の心臓を取り戻すべきか、それとも目の前で助けを求めている奏を救うべきか、迷ったアイザックは奏を助けに行ってしまい、信じられないほど息の合った動きで、神楽崎と共に迷宮のボスであるミノタウロスを倒して、奏は命を救われるという話でした。
個人的にはジュードが、ケヴァンに対して優しいのに、奏に対して驚くほど冷たいのが偏ってるなーと、思う。
まぁ、ジュードからしてみたら、奏に情を移すわけにもいかないのだろうけど。
でも、奏を殺すはずだった神楽崎ことケヴァンが、奏を助けてくれたり。
奏を見殺しにしなくちゃいけなかったアイザックが結局奏を助けたり。
これはきっと、奏の魅力がなせる技なんだろうね。
けれど、周りが奏を助ければ助けるほど、助けた人間の立場は悪くなり、周りにどんどん強い人間が集まってしまうんだ。それはそれは、悲しい。
でも、この人の持ち味はそういう人間の持つ矛盾だと思うので、とっても読み応えのある話でした。本当に、オススメです!